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初心者でも簡単!PECOポイントマシンの電動化と配線方法のまとめ

2018年6月3日加筆・修正

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ポイントレールを使って引き込み線などを設ければ、ポイントマシンで電動化したくなります。しかし初めての方が利用するには配線に少しコツが要ります。ここではPECOのポイントマシン(PL-10/PL-10E)の配線方法と最初につまづきやすいポイント、その解決方法を解説します。ハンダ付けが一切なく、配線図もシンプルで初心者の方でも簡単にできることを重視しました。これを読めばこれから始める方でも簡単にポイントマシンを電動化できるはずです!

PL-10(W)/10E(WE)のスペックとPL-11(サイドマウントタイプ)に関しては以下の記事を参考にしてください。

関連リンク>> PECOポイントマシンのスペック詳細と2つの設置方法

関連リンク>> サイドマウントポイントマシン(PL-11)の電動化の手順

初心者でも簡単!PECOポイントマシンの電動化と配線方法のまとめ

使う材料

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PL-10とPL-10Eのどちらを使うか&設置の仕方によっても異なりますが、まずは登場する商品を紹介します。

PL-10 ポイントマシン
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1番スタンダードなポイントマシンです。左右の黒いドラムに電流を流すと磁気の力で真ん中にある軸(ロッド)を引き寄せてポイントを切り替えます。ベース上に設置する場合には、アダプターベースと組み合わせます。ベースの下に設置することもできますが、軸(ロッド)が短いのでポイントレールの下に大きな穴をあける加工と、バラストを撒くために穴を塞ぐ加工も必要になります。安定して動作させるためには16Vの電圧が必要です。

PECO PL-10E ポイントマシン (長軸タイプ)
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こちらはPL-10の軸(ロッド)が長くなっている仕様です。必要な電圧や配線方法はPL-10と同じです。軸(ロッド)が長いのでベースの下に設置するのに適しています。マウントプレートと組み合わせることによって穴あけの加工も最小限で済みます

PECO PL-9 マウントプレート (ポイントマシン取付板)
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PL-10Eをベースの下に設置する時に使うマウントプレートです。マウントプレートをボードにビス留めして固定します。穴あけは軸(ロッド)の可動域だけで済みます

PECO PL-12X アダプターベース (バネなし) 2個入り
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PL-10をベース上に設置する時に使うアダプターベースです。拡張用のアームを使えば離れた場所にも設置することができます。

PECO PL-34 ポイントマシン配線 ( PL10シリーズ用) (赤・黒・緑 各2本入)
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PECOのポイントマシン用の配線です。配線の長さは約46cmで緑と赤と黒が2本ずつ入っています。片側にコネクターがついていてポイントマシンやスイッチにハンダなしで接続できるようになっています。

PECO PL-26W ポイントスイッチ(白)
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PECOのポイントマシン用純正スイッチです。許容電圧は最大16V。今回は白を使っていますが赤・白・黄・黒の4種類があります。後ほど詳しく解説しますが、この純正スイッチを使うか使わないかでコンデンサの必要性が変わってきます。

電源
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ポイントマシンを電動化する場合に最初に考えるのが電源をどうするのかだと思います。パワーパックにポイント用電源が付いている場合もありますが、大事なのは"電圧"です。私が使っているのは一般的な"AC-DCアダプター"です。出力がDC16V/4Aになっています。秋月電子さんで1,700円くらいで販売しています。

  • 安定して動作させるためには16Vの電圧が必要。
  • 12Vの電源でも2~3Aのものを使い、コンデンサを繋げば動作するとの話も。
  • 16V以上の電圧をかけた場合、発熱し焼き切れたりしてポイントマシンが壊れる。
☑ポイント
実験として12V/1.5Aのアダプタで試してみましたが、ポイントレールのバネに負けて動作不良でした。確実に安定して動作させたい、複数のポイントマシンを動かしたい場合は、16Vの電源を用意するのが無難です。

つまずくふたつのポイントと解決方法

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電動化しようと思ってポイントマシンを買ったは良いけど、同梱されている説明書を見てふたつの疑問が出てくると思います。

  1. AC16Vの電源をどこから取れば良いのか
  2. "CDU(PL-35)"って何だろう
AC16Vの電源をどこから取れば良いのか

現在、国内で使う電化製品でAC16V電源を使うものはなかなかありません。ほとんどがAC-DCアダプターで出力がDCになっています。しかもACは交流のことですが、交流は電流の流れが常に変動して電圧も一定ではありません。現にKATOのパワーパックSのアダプターがAC15Vですが、単独で使うと17,8V出たりもします。動作はすると思いますがちょっと怖いです。

"CDU(PL-35)"って何だろう

これは"Capacitor Discharge Unit"というものです。直訳すると"蓄電放電ユニット"ですが、いわゆる"コンデンサ"です。コンデンサと言っても種類と機能が様々ですが、PECOのCDUの場合は蓄電して複数のポイントマシンを同時に動かす時の役割と、AC電源から取っている電気を整流して滑らかで安定した直流にする為のものだと思います。

解決方法

解決方法はシンプルです。先ほど私が紹介した"AC-DCアダプターを使う"ことです。レイアウト上に複数のポイントマシンを設置して同時に切り替えることがなければCDUも不要になります。

配線図

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実際にやってみる前に配線図を見てみましょう。すごくシンプルです。今回用意した材料を使えば簡単にできます。この配線図を見て、「あれ?調べた時の配線図と違う。」と思う方もいるかもしれません。今までの調べたことがある方はこんな配線図を見たことがあると思います。

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インターネットで電動化の方法を検索すると、色々なサイトで"電解コンデンサー"を使っています。もちろんその方法は間違いではなく、昔からある定番の手法として定着しています。今回私が解説する方法は、タイトルにもあるとおり"初心者でも簡単にできる方法"です。ですので昔からある定番の手法よりも費用はかかると思います。電子工作の知識がある方やご自身で調べて解決できる方はできるだけ費用のかからない方法でやってみてください。

ふたつの配線図の違い
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今回私が解説する配線図は左です。右が昔からある定番の手法です。この配線図には大きな違いがふたつあります。

  1. 電解コンデンサの有無
  2. スイッチの種類

鍵を握っているのはPECOの純正スイッチです。PECOの純正スイッチの特徴は、以下の3つです。

  • 電気を流すのはレバーが倒れる途中の一瞬だけ。
  • 倒れきるとスイッチが切れて電気が流れなくなる。
  • 切り替えている方に電気が流れっぱなしになるような常時通電ではない。

一方、右の配線図で使われているスイッチはON-ONのトグルスイッチです。

  • ON-ONのトグルスイッチは常時通電。
  • 切り替えている側に常時16Vの電圧をかけ続けることになる。
  • 常時通電を防ぐ為には電解コンデンサが必要。
☑注意点
ON-ONのトグルスイッチを使う場合はコンデンサが必要になる!
  • コンデンサには電気を蓄電して放電する機能がある。
  • 蓄えられる容量や耐圧があるのでどれでも良いわけではない。
  • ON-OFF-ONのスイッチの場合には、切り替えたあとにスイッチを真ん中に戻せば電気は流れなくなるので常時通電は防げます。

 

☑おさらい
  • 電源はAC-DC16Vアダプタを使う
    コンデンサは不要(同時に複数のポイントを動作させたいを除く)
  • PECO純正のスイッチを使う
    コンデンサは不要(ON-OFF-ONのスイッチを使う場合を除く)

配線方法

①ポイントマシンに緑の配線を接続する
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PL-34にはいっているコネクタが2つ付いている緑の配線をポイントマシンの片側に接続します。差し込むだけのハンダフリーです。

②ポイントマシンに赤と黒の配線を接続する
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ポイントマシンの反対側に同じように赤と黒の配線を接続します。これでポイントマシン側の配線は終わりです。緑の配線は電源に、赤と黒の配線はスイッチに接続します。

③スイッチにポイントマシンに接続した赤と黒を接続する
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先ほどポイントマシン側に接続した赤と黒をスイッチの両端に接続します。画像ではオールハンダフリーにする為にPL-34の配線の反対側にもコネクタを付けています。

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コネクタが10個とカバーが5個入っています。ハンダが苦手な方におすすめです。

④スイッチの真ん中の端子に赤の配線を接続する
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残ったスイッチの真ん中の端子に赤の配線を接続します。この配線は電源に接続します。

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これで配線は完了です。あと緑と赤を電源に接続するだけです。

⑤AC-DCアダプタにジャックを取り付ける

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このままでは配線ができないのでDCジャックを取り付けます。DCジャックも電源と同じく秋月電子さんで購入できます。

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これで配線が可能になりました。

⑥配線完了

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配線の全体図です。パワーパックとは別に外部電源を使っているのでアダプタをどこに収めるかが課題になりますが、複雑な配線もハンダもなく初めて電動化する方にはおすすめの配線方法です。

PL-10とPL-10W(低電流タイプ)の違い

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PECOのポイントマシン(PL-10シリーズ)には商品コードに「W」が付く"High Performance Turnout Motor"があります。こちらにもロッドが短いPL-10Wと、長いPL-10WEの2種類がありますが、寸法や設置方法はPL-10(PL-10E)と同じです。

では何が違うのか。ここではPL-10(10E)との違いを解説します。

推奨電流(A)の違い
  • PL-10(10E) ⇒ 14V~16V / 3A
  • PL-10W(10WE) ⇒ 14V~16V / 1A~1.5A

推奨電圧(V)は同じですが電流値(A)に違いがあります。スタンダードタイプのPL-10(10E)が3Aに対してPL-10W(10WE)は1A~1.5Aになっています。必要な電圧は同じでも使う電流は少なくて済むというのが"High Performance"たるゆえんでしょう。

PL-10W(10WE)はDCC推奨

PECO公式の冊子に記載がありましたが、PL-10W(10WE)は元々ヨーロッパ諸国で一般的な低電流で動作するコントローラーでも使えるように設計されたものだそうです。低電流(消費電力が少ない)ということは、給電をレールから取るDCCに最適ということになります。

PL-10W(10WE)の動作検証結果

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お客様から質問をいただいたのを機に、今回手元にある3つの電源でPL-10W(10WE)の動作確認をしてみました。検証時にコンデンサーは使用していないので、コンデンサーを介した場合とは異なると思います。

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①秋月電子さんのDC12V / 1.5A

マシン単体では動作するものの、ポイントレールに組み込むとバネの力に負けて動作しませんでした。

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②デジトラックスの13.8V / 3.6A

ポイントレールに組み込んでも動作はしましたが、片方にしか切り替わらず安定した動作は望めませんでした。

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③秋月電子さんのDC16V / 4.0A

PL-10が安定して動作する値なのでパチンパチンと力強く切り替わりました。

☑おさらい
  • PL-10W(10WE)は低電流タイプ
  • 推奨電圧はPL-10と同じ14V~16V
  • 低消費電力なのでDCC(デジタル化)に最適

まとめ

配線図のところでも書きましたが、市販のトグルスイッチと電解コンデンサを使った昔からある定番の方法は費用的にはかなり安上がりです。ハンダ付けに抵抗がない方や知識がある方なら容易にできると思います。

今回解説した配線方法はハンダ付けが一切なく、配線図もシンプルで初心者の方でも簡単にできることを重視した方法です。ポイントマシンを電動化してみたいけどよくわからない。自信がないという方の参考になれば嬉しく思います。

この記事で紹介した商品

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