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Nゲージ?HOスケール?鉄道模型の選び方!ゲージとスケール入門

鉄道模型のゲージやスケールについて

これから鉄道模型を始める方のために、ゲージとスケールについて解説します。

お手持ちの車両を走らせるためにどのレールを選べばよいのか。レイアウト制作を検討するときにどのスケールを選べばよいのか。最初は私もNゲージ(9mm)とHOゲージ(16.5mm)、HOスケールは1/87?くらいの知識しかありませんでした。

まずは基礎的なところから一緒に理解していきましょう。

フィートとインチについて

1フィート(1ft)=12インチ(12in)
1フィート(1ft)=30.48cm
1インチ(1in)=2.54cm

ゲージとは軌間(レール幅)のこと

レール同士の頭部の内側の間隔のこと。”軌間”とも言います。つまり”レール幅”です。

これから鉄道模型を始める方は、まずはどのゲージで遊ぶのか決めないといけませんね。Nゲージ(9mm)とかHOゲージ(16.5mm)とかです。

鉄道模型におけるスケールとは

スケールとは”縮尺”のことです。しかしこの部分は国によって表示法が違います。

  • 日本はメートル法に基づく分数表示(1/150など)が主流
  • アメリカではヤード・ポンド法を採用しており1フィート(304.88mm)を何インチに縮小したか(※1)
  • イギリスではメートル法とヤード・ポンド法を組み合わせたもので、1フィートを〇mmスケールで縮小したか(※2)

という表記が用いられています。が、実際のところ最近はあまり使用されていない気もします。

※1 「1/4インチスケール」など
1/48(Oスケール)

※2「3.5mmスケール」「4mmスケール」「7mmスケール」など
1ft(304.88mm)を3.5mmに縮小すると、304.88÷3.5≒87(HO)
1ft(304.88mm)を4.0mmに縮小すると、304.88÷4≒76(OO)
1ft(304.88mm)を7.0mmに縮小すると、304.88÷7.0≒43.5(O)

おまけ:1ft(304.88mm)を3.8mmに縮小すると、304.88÷3.8≒80(16番)

鉄道模型の規格は、”ゲージ”と”スケール”の組み合わせによって決められます。

いわゆる”Z”、”N”、”HO”、”O”などです。

規格の名称は日本やイギリスではゲージ、アメリカではスケールと呼ばれています。各規格は基本的に実物の「標準軌間(1435mm)」を縮小したものです。

標準軌間(1435mm≒4.7ft)

世界でもっとも普及している1435mmを「標準軌間」と定めたものです。それよりも広い軌間のものを”広軌”(ブロードゲージ)、狭い軌間のものを”狭軌”(ナローゲージ)と言います。

ちなみに、日本でもっとも普及している軌間は1067mmで、標準軌間のものは新幹線や京浜急行、京成電鉄、阪急電鉄などです。

えっ?新幹線と小田急線はレール幅が違うの?!私は初めて知った時にはけっこう驚きました。なぜ異なるのかという理由を探れば、大人の事情がいろいろと出てきますが、難しいのでここでは触れません。

私の身近な鉄道の軌間

  • 1435mm 新幹線 京浜急行 大江戸線 銀座線など
  • 1372mm 世田谷線 京王線(井の頭線は除く※1) 昔の都電(※2)など
  • 1067mm 小田急線 横浜線 東横線 江ノ電など

※1 井の頭線は軌間1067mm
※2 現存する路線は荒川線のみ?

日本国内の実物のゲージ(軌間)

  • 610mm・・・2フィート
  • 762mm・・・2フィート6インチ→代表的なナローゲージ
  • 914mm・・・3フィート→代表的なナローゲージ
  • 1067mm・・・3フィート6インチ→”日本”における標準軌間
  • 1372mm・・・4フィート6インチ
  • 1435mm・・・4フィート8-1/2インチ→世界標準軌間

主な鉄道模型の規格

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実際に鉄道模型を始める際には規格を決める必要があります。重要になってくるのがスペースです。いくら大きな規格で遊びたくても物理的なスペースがなければどうにもなりません。

規格によっては、とてもじゃないけど室内ではできないよ、ということもあるので始める前によく検討しましょう。

これからご紹介する主な鉄道模型の規格は、国や地域、鉄道模型愛好者団体によって違いがあります。アメリカなら”NMRA”、イギリスなら”BRMSB”、ヨーロッパ諸国なら”MOROP”(NEM規格)。

ちなみに、日本には規格を定める団体はありません。同じ軌間(レール幅)でも縮尺は異なる場合がありますのでご注意ください。

Oゲージ/Oスケール

縮尺が1/43~1/48、軌間(レール幅)が32mm。

  • 英国・・・1/43.5
    →1フィートを7mmに縮小する「7mmスケール」
  • 欧州・・・1/45
  • 日本・・・1/45
    →”零番”とも呼ばれる。
  • 米国・・・1/48
    →1フィートを1/4インチに縮小する「1/4スケール」

HO/OO/16番

縮尺が1/76~1/87、軌間(レール幅)が16.5mm。世界的に一番普及している軌間。

軌間は同じ16.5mmですが、それぞれ縮尺規格や解釈が異なります。

  • HO(北米・欧州)・・・1/87→1フィートを3.5mmに縮尺する「3.5mmスケール」を採用。Oスケール(7mmスケール)のHalf(半分)という意味で”HO”。
  • OO(英国)・・・1/76.2 →1フィートを4mmに縮尺する「4mmスケール」を採用。英国で最も普及している規格です。線路幅(標準軌間)は米国・欧州と同じなので1/76の縮尺だと軌間16.5mmは小さい、そのため車両模型は少々アンバランスになります。当初はOゲージの規格を半分にした、1/87(3.5mmスケール)・軌間16mmというものでしたが、世界的に「16.5mm」が普及してきたことや当時の技術では模型化が困難ということもあり縮尺を大きくしていった経緯があるそうです。

※縮尺と軌間にこだわった「Proto4(P4ゲージ)」1/76.2/18.83mmもありますが、一般的にはあまり普及していないようです。

  • 16番(日本)・・・1/80 →世界的に16.5mmゲージが普及し、日本でも16.5mmのレールで一緒に遊べるようにしようという流れから生まれたものです。しかし日本での標準軌間は1067mmです。これを16.5mmゲージのレールで違和感なく走らせる為には、と考えられた結果1/80が選ばれました。いわば日本独自の”縮尺”です。

※16番ゲージとは、16.5mmのレールで遊ぶ鉄道模型のことで、日本の1/80の模型だけを16番と呼ぶわけではないようです。縮尺(1/76・1/87・1/80)は違っても、同じ16.5mmゲージのレールを走らせることができる3つの総合的な呼称が16番です。

Nスケール/Nゲージ

縮尺が1/148~1/160、軌間(レール幅)が9mm。

  • 英国・・・1/148
  • 日本  ・・・1/150
    →日本でもっとも普及している規格。新幹線などの車両は1/160。
  • 米国・・・1/160

Zゲージ

縮尺が1/220、軌間(レール幅)が6.5mm

主なナローゲージ(狭軌)の規格

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「標準軌間」のところでも説明しましたが、1435mmより軌間が狭いものをナローゲージ(狭軌)といいます。とはいえ日本でもっとも普及している軌間は1067mmです。なので日本型において1067mmは一般的にナローゲージには含みません。

HOスケール(1/87)のナローゲージ

  • HOn2-1/2(米国)・・・縮尺が1/87、軌間(レール幅)が9mm。762mm(2-1/2フィート)ゲージをHOスケールで模型化したもの。インチ表示のみにして”HOn30”(※3)とする場合もある。

※3 ”HOn〇〇”の「n」は、ナローゲージ(narrow gauge)の「n」です。30は30インチ(=762mm)、2-1/2は2.5フィート(=762mm)の略というわけです。762mmは実車のレール幅(軌間)を表していて、1フィート=12インチ、2.5フィートは30インチなので二つは同じ寸法です。両方とも軌間762mmの鉄道を1/87で模型化したものです。762mm÷87=8.75mm、まあたいして変わらないから9mmを使おうということです。

  • HOe(※4)(欧州)・・・縮尺が1/87、軌間(レール幅)は9mm。750mm、762mmゲージを1/87で模型化したもの。

※HOeの「e」は、ドイツ語のeng(狭い)若しくはegger-bahn(エガーバーンというメーカー)の頭文字ともいわれているそうです。ドイツで普及している軌間750mmの鉄道を1/87で模型化したものです。750mm÷87=8.62mm これも9mmでいいよねということです。

  • HOf(※5)(欧州)・・・縮尺が1/87、軌間(レール幅)は6.5mm。600mmゲージを1/87で模型化したもの。

※5 ブッシュの炭鉱鉄道などはHOfと表記されています。この「f」はFeldbahn(軽便鉄道)の訳だと聞いた覚えがあります。600mm÷87=6.89 これも6.5mmでいいですね。

  • HOn3(米国)・・・縮尺が1/87、軌間(レール幅)は10.5mm。914mm(3フィート)ゲージをHOで模型化したもの。アメリカでもっとも普及しているナローゲージ。
  • HOm(欧州)・・・縮尺が1/87、軌間(レール幅)は12mm。スイスのメーターゲージ(1000mm)をHOで模型化したもの。
  • HOn3-1/2(日本)・・・縮尺が1/87、軌間(レール幅)は12mm。日本での標準軌間でもある1067mmを1/87で模型化したもの。”HOj”、”HO1067”とも呼ばれる。

その他(OO/16番)のナローゲージ

  • OO9(英国)・・・縮尺が1/76、軌間(レール幅)は9mm。610mmゲージなどの鉱山鉄道を1/76で模型化したもの。
  • HOナロー(日本)・・・縮尺が1/87~1/80、軌間(レール幅)は9mm。日本の914mm、762mmゲージを1/87で模型化したもの。軽便鉄道や鉱山鉄道など。

Oゲージのナローゲージ

  • On30(米国)・・・縮尺が1/48、軌間(レール幅)は16.5mm。762mmゲージを1/48で模型化したもの。”On2-1/2”とも表示されますが、インチとフィートの表示の違いです。
  • OJ(日本)・・・縮尺が1/45、軌間(レール幅)は24mm。日本での標準軌間でもある1067mmを1/45で模型化したもの。

まとめ

説明不足や解釈違いがあればご教示いただければ幸いです。ここでは”鉄道模型を始めるための基礎知識”として、”何ミリのレールの上を、何分の一に縮尺した車両が走るのか”をわたしなりにまとめてみました。最低限ここがわかれば自分の環境に合った鉄道模型を始めることができます。一人でも多くの方に楽しんでいただくために、これからも当店ができることを少しずつやっていこうと思います。

 

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