海外製品を扱う鉄道模型ショップが「海外通販・個人輸入のポイント」を7つの項目で解説します。
この記事を読むと、鉄道模型を海外通販するために必要な最低限の知識が得られます。
さらに、以下の2つの購入記事を参考に実践することで入手できる製品の幅が拡がります。
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※購入は自己責任ですが、上記ショップ通販は実際に利用したことがありInvictaは実店舗にお邪魔したこともあります。
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1. 高度な英語力は不要
英語力は中学生レベルで十分
海外通販ではほとんど場合、最低限の単語がわかれば注文できます。問題が起こったり質問や要望があれば積極的に伝えます。感謝の心と敬意をもって接すれば大抵何とかなります。私たちは実体験からそれを痛感しています。
私たちは中学生レベルの英語力で海外出張もこなしてきました。開業当初などは特にそうでしたが、いま考えるとよく話を聞いてもらえたな…みたいなことばかりです。
海外通販は試験勉強とは異なる
日本人は英語が苦手だと言われますが、それは学問として考え過ぎているからではないでしょうか。日本人は非常に優秀です。当店のお客様も博識な先達諸兄ばかりなのでつくづくそう感じます。
私たちはテストの点がとても悪かったせいか、学問としてとらえていない(考えたくもない)のが幸いしているのかも知れません。
海外の方、特に非英語圏内の方とのやりとりでいつも思うのが、そんなにテキトーでいいのか?ということです。英語は言葉でありコミュニケーションツールです。言葉や文化の違いはあっても、表現や感じ方に差があるだけです。
困ったらツールを使えばよい
いざとなればweblioやグーグル翻訳があります。読むだけならグーグルクロームの翻訳機能を使えば早いです。スマホのアプリも日々進化しています。
特に若い方はできるだけ英語に慣れ親しんでおいた方が良いでしょう。主な理由として、例えばドイツ語を日本語に機械翻訳してもピンとこないときに、文法体系が似通った英語に訳すとスッキリわかるということがあります。
英語にある程度親しんでおけばフランス語でもスペイン語でも怖くないのです。国内外を問わず通販では支払情報や発送情報など入力する内容は基本的に同じです。少しでも慣れるためにも翻訳機能の利用は最小限に留めることをおすすめします。
これからは世界中で買ったり売ったりがどんどん当たり前になるでしょうから。
2. 日本人とは異なる感覚
異なる価値観や文化を受け入れる
私たちは輸入業を営んでいますが、取り引きで最も大切にしているのは、異なる文化と価値観に敬意を払うことです。
送られてきた物や個数が間違っている、破損している、そもそも届かない、しかも問い合わせに対する返答が無い。仮にこんな事態に遭遇してもあわてずに対処します。
彼らは私達とは背景が異なります。お店やお客という概念すら私達とは大きく認識が異なるのです。
要望はハッキリ伝えて返答は気長に待つ
海外通販では特に、何か要求があるときや問題が生じた際にはこちらの言い分をハッキリと伝えてコミュニケーションを図ることが重要です。
黙っていれば察してくれるということはまずありません。
またほとんどの場合、日本人とは時間感覚が異なります。言いたいことを伝えたら気長に返事を待ちます。
要求は同時に2つまで要点は箇条書きする
大切な用件を伝える際には、必ず一度に2つまでにしてください。
なぜなら経験上その方が効率が良いからです。
あとは箇条書きで伝えるのも効果的です。
これは認識・処理の仕方に違いがあるためです。お互い気持ち良くやり取りするためのコツといえます。
3. 海外通販における決済方法
国内通販との違い
国内通販と異なるのは、クレジットカード払いに分割払いを選択できないこと、銀行振込が利用できなかったり手数料が高額なこと、商品代引は利用できないことです。
決済は基本的にクレジットカード(一括払い)およびペイパル(Paypal)、デビットカードで行います。
クレジットカードの選び方
使用するクレジットカードによっては、万一のトラブル時に大きな差が出ます。
デスクのトラブル対応はアメックスなどのプロパーカード(※)および三井住友VISAカードが対応も早く安心確実です。利用するクレジットカードに付帯するショッピング保険もチェックしておきます。
特に三井住友VISAカードのゴールドは、私が複数所持しているカードの中でも一押しのカードです。銀行系カードとして信用があり、トラブルの際にもデスクは迅速丁寧、さらには空港ではゴールドラウンジを無料で利用できます。
(※)クレジットカードには国際ブランドというものがあり、皆さんご存じのVISAやマスター、JCB、アメックス、ダイナースなどがそれです。この国際ブランドが直接発行しているカードのことをプロパーカードと呼びます。ちなみに日本国内でカードの発行業務も行っている国際ブランドはアメックスとJCB、ダイナースだけです。
Start Dateとは
特に英国のサイトに多いのですが、クレジットカード情報を入力する際に「Start Date」というものを求められることがあります。
これはクレジットカードの発行年月のことです。2013年8月に発行されたカードであれば08/13と入力します。
日本では馴染みの薄い項目ですが、セキュリティを高めるために有効期限に加えて発行年月も利用しているのです。
ペイパル(PayPal)やデビットおよびプリペイド式
買い手がしっかりと保護されているペイパル(PayPal)を利用する(要登録)。VISAデビットやVプリカ(要登録)など手軽に使えてセキュリティ面で安心な決済方法も増えています。
過度にトラブルを心配する必要は無いと思いますが、条件によっては勝手の良い決済手段となります。
VATとは
VAT(付加価値税)は日本の消費税のようなものです。イギリスではVAT、ドイツではMwSt.、オーストリアではUSt.、フランスではTVAと呼ばれます。
税率はおおむね20%程度ですが国によりモノにより異なります。
日本の消費税と同じように、国内で消費使用されるものに対する課税となりますので、外国から購入する場合には免除されます。私たちはたいてい日本国内でその商品を消費するので、受け取り時(自宅の玄関や郵便局の窓口など)にVATではなく日本の消費税を支払います。
日本の消費税は2020年現在10%です。海外通販においてはこの差が大きいほどお得感があるといえます。
4. 住所の記載方法
住所は日本の宅配業者に向けて書くもの
住所を記入するときに大切なのは郵便番号と住所を正確に入力することです。
もしCountry(国名)やCounty(都道府県)の入力欄が無くても、郵便番号と住所が正確であればJAPAN宛であることを発送する側が記載してくれさえすれば何とかなります。
現地ではこう書くとか細部はそこまで気にする必要ありません。あくまで日本人が見て分かればよいのです。
電話番号の書き方
電話番号も住所と同様です。+81のあとの0を取って…という必要はありません。
海外から電話がかかってくることは基本的にないので、あるとすれば日本国内からです。住所と電話番号の記載方法に関しては個人的に質問されることが多かったので触れておきます。
5. 送料と関税と消費税そして通関手数料
注文前に送料と関税を確認する
海外通販では、商品代金のほかに送料と関税さらに消費税がかかります。
予想外の出費に驚いてがっかりしないためにも、この部分はキチンと押さえておく必要があります。送料などでわからないことがあれば、事前に注文するお店に確認しておきます。
送料
どこの国からどんな方法で送るのかだけでなく、買った物の大きさや重さによっても送料は大きく変わります。
注文時には正確な送料がわからないお店も多いので、まずは「日本に送れるか」また「送料はいくらか」を聞いてみるとよいでしょう。
送料を確認するときには、「これとこれを買った場合に送料はいくらになるか」を確認します。
関税・通関手数料
関税に関しては、細かく書けば面倒で小難しい気がします。ですが実際はそうでもありません。
海外通販で買い物をして個人輸入する場合には、基本的に「国際郵便」か「国際宅配便」で送られてきます。よって以下の2つを押さえておくだけです。
- 課税対象額(※)が20万円を超えない場合には、税関で税額が決定されてそのまま手元へと送られます。玄関や郵便局の窓口で税金(関税+消費税+手数料)を支払って荷物を受け取ることができます。少量の買い物で課税対象額が1万円以下の場合には免税となります。(※課税対象額=商品代金×60%)
- 課税対象額が20万円を超える場合には「輸入申告手続」が必要となり、税金も先払いになります。とはいっても自分で手続きする必要はなくペイジーやネットバンクで税金を支払い、郵送されてきた書類に記載をして送り返すだけです。手続きが終わればすぐに発送されて荷物を受け取ることができます。
課税対象額はなぜ「商品代金x60%」なのか
個人輸入は小口輸入(商用輸入)とは異なり、個人での使用を目的としています。よって卸値を基準に購入価格の6割と定められています。このあたりの流れは税関のHPにわかりやすい解説があります。
http://www.customs.go.jp/tsukan/kojinyunyu.htm (個人輸入通関手続)
関税額の計算は通関時の判断により異なります。課税対象額に送料が含まれるのか、どうかなど、状況によりまちまちだったりします。
上記はあくまで個人使用目的の個人輸入に限った数字です。これらは購入金額と数量により変動することを覚えておいてください。
- 関税額=課税対象額×関税率(※商品により異なる)
通関手数料
- EMS 200円
- FedEx 500円
- UPS 540円
- DHL 700円未満→無料
立替合計額が5万円未満→1,000円
立替合計額が5万円以上→立替額の2%
6. 在庫と発送
在庫表記はおおよそと心得る
「在庫有り」と書いてあるのに「取り寄せ」になる。海外では日常茶飯事といえるほどどこのお店でも起こります。
しかしそれは必ずしも在庫管理をしていないということではありません。在庫が無くても注文できれば、いつでも好きな量が買えるだろ?と云われたことがあります。
どうしてもすぐに欲しい、まとめてこれとこれを送ってもらいたい場合にはどうすればよいのでしょう。そんなときには在庫確認をしてすぐに発送可能かどうかを聞いてくれ、というスタンスのお店が多いのです。
発送方法を確認する
海外通販ではコミュニケーションがより重要です。まずは在庫確認をして数量に応じた送料を算出してもらい、その上で買うかどうかを決めます。
お店によっては在庫品を取り置いて、取り寄せ品を待つことができないことも珍しくありません。
一部が先に届き、取り寄せ品は忘れたころに別便で送られてくる。送料はしっかり二便分請求される、というのはよく聞く失敗談です。こちらの要求は最初にハッキリ伝えることが大切です。
発送前の動作確認および外装チェックを依頼する
海外通販においては、特に動力車を買う場合には発送前に走行確認と外装チェックをしてもらう方が安心です。
もちろん発送前に問題が無くても、輸送中に大冒険が始まって傷だらけの漢に成長する可能性もあるので注意が必要です。
パッケージは商品に非ず
ショップ仕入の場合には量が多いので、一般的な海外通販よりも大きくて頑丈な段ボールで届きます。これらには道中で猛獣と争ったか、確実に何らかの事件に巻き込まれたとしか思えない状態になっているものがあります。
商品の外箱が破れているとか、プラケースが割れている程度ならまだ可愛いものです。砕け散って内容物が壊れていたり、細かいパーツがばら撒かれて紛失していることもあります。
もちろんこんなケースは稀なので、無闇やたらに脅かすつもりはありません。ただパッケージの破損は当たり前に起こるので、そのつもりで心の準備をしておく必要はあります。
返品について
海外通販での返品に関してはあまり経験がないので情報がありません。私の少ない経験では良品に交換はしてもらえたけれど返品時の送料が戻ってきたことはない、ということを一応お伝えしておきます。
一所懸命に交渉したのですがどうにも無理でした。これは私の語学力や交渉力の問題もあると思います。
クレカのショッピング保険を使うという手もありますが、これも利用したことが無いのでお役に立てず残念です。
7. 海外通販で知っておくと便利なこと
英語の略字
「ASAP」 = “as soon as possible = できるだけ早く、いわゆる「なるはや」です。
海外通販では略字に出会うことがしばしばあります。商品ページでよく見かける「N/A」は“not available” で「入手不可能」。欲しい商品にこの文字が付いていれば凹みます。
「N/A」は"not applicable” の略で「該当せず」という意味でも使われます。この場合、記入漏れではなく「敢えて書いていません」または「書くことがありません」という意味になります。
例えば、日本には州がないので国名をJAPANにすると州名の記入欄は「N/A」になる、といった風です。
海外通販でよく見る略字
N/A … “not available” または "not applicable” →「入手不可能」または「該当せず」
QTY … "Quantity" →「数量・個数」
SRP … "suggested retail price" →「希望小売価格」
MSRP … "manufacturer's suggested retail price" →「メーカー希望小売価格」
w/ … “with” の略
w/o … “without” の略
CVV … "Card Velification Value" →クレカの裏面、3ケタのセキュリティコード
EXP … "expiry date" →「有効期限」(主にクレカの入力時に登場する)
海外ショップサイトで検索するコツ
海外通販時に、例えばあるショップで「PL-10E」を探しているとします。そのときに、取り扱いはあるのに「PL-10E」と入力しても表示されないことがあります。
その場合には「PL10E」「pl-10e」「pl10e」すべてを試してみましょう。きっとどれかがヒットするはずです。
半角入力は基本として大文字か小文字か、ハイフン有りか無しか。これだけで検索効率が大幅にアップします。
まとめ
海外通販は面倒だという方のために
海外通販(個人輸入)=怖い、不安、よくわからないという声を耳にします。しかし実際には、そのいずれでもないと私は思っています。「怖い」でも「不安」でも「わからない」でもない。
では一体何なのかと問われれば、「面倒くさい」の一言に尽きると思います。
海外との取引では、大なり小なり好奇心をもって、プロセスを楽しむ姿勢がないとやってられないような面倒がしばしば起こります。英語は読むのもめんどくさいぞ。届いたけど入ってないものがあるぞ。しかもなんか壊れてるぞ。
お得とか以前にとにかく面倒だぞ。This is めんどくさい。
でもご安心ください、そのためのナローゲージショップです。
自由に買う
必要なものを必要なだけ、必要なときに、必要な場所から手に入れるために。さらにいえばお得で、その時の条件に合った方法を探すことができればベストです。それは私たちショップが追い求める理想であり一つの到達点です。
選択肢を多く持っておくに越したことはありません。当店の経験が僅かでもその一助となれば幸いです。