コロラドを代表する観光鉄道のひとつ"ジョージタウン・ループ鉄道 (Georgetown Loop Railroad)"ですが、他の観光鉄道にはない魅力があります。
名称にもあるのですぐわかると思いますが、それは"ループ線"であること。
急勾配をループを描きながら進んでいく蒸気機関車は一見の価値ありです。当然わたしも今回のデンバー出張の目的のひとつであり楽しんできました。
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ジョージタウン・ループ鉄道 (Georgetown Loop Railroad)について
元々は金や銀の鉱石輸送を目的に1884年にコロラド・セントラル鉄道(Colorado Central Railroad)が建設したものです。当時はシルバープルームからデンバーまで繋がっていましたが、現在はデビルズゲートとシルバープルーム間の約7キロとなっています。
1938年に一度廃線になり名物の鉄橋も撤去されましたが、その後再建が始まり1984年には鉄橋も復元され現在の形になりました。見どころはなんと言ってもループ線と高さ30mのデビルスゲート・ハイブリッジです。
町から山の上の鉱山までは直線距離にして約3キロ。その間に約200mの高度を上がらなければならず建設されました。クリアクリークと呼ばれる綺麗な渓流と、緑豊かな森林の中を進む往復1時間ほどのナローゲージの旅です。
運行スケジュールと機関車
~蒸気機関車とディーゼル機関車~
現在メインで使っているのは1枚目の写真のボールドウィン社製の蒸気機関車No.111です。2016年からこの車両を使い始めました。
整備中や冬場の積雪、凍結時には写真2枚目のディーゼル機関車を使うこともあるそうなので、蒸気機関車を目的に訪れる際には事前に調べてからの方が良いと思います。
~運行スケジュール~
おおよそ5月~12月は運行しています。デビルズゲートとシルバープルーム間を約1時間半おきに1日3~4往復程度です。時期によって時刻表や本数は変わりますので、事前にチェックが必要です。
また10月~12月の間はOktoberfestやPumpkin Fest、Santa's Lighted Forestなどの期間限定のイベントがたくさんあります。
料金は通常往復$25.95ですが、イベント時には特別料金になります。またオプションで鉱山ツアーやマインニング体験などを楽しむことができます。
ジョージタウンについて
ループ鉄道に乗るにはデンバーから西へ車で1時間ほどのところにあるジョージタウンという町に行きます。ルートもフリーウェイ(I-70)をひたすら道なりに進むだけなのでわかりやすいと思います。
ループ鉄道の乗車時間を含めても半日でデンバーまで戻れるので日帰り観光にはピッタリです。
ジョージタウンはシルバーラッシュの時代に全米で最も栄えた町と言われ、"コロラドの銀の女王"とも呼ばれていました。ダウンタウンはとても小さいですが、当時は一攫千金を夢見た山師たちが10,000人以上集まりかなりの賑わいを見せていたそうです。
今も当時を思わせるような古い建物やお土産屋さんがあるので、ループ鉄道の帰りに立ち寄ってみるのも一興です。
ジョージタウン・ループ鉄道乗車記
いざジョージタウンへ!
デンバーから約1時間でジョージタウンの町に到着します。フリーウェイを降りて看板を頼りに進んで行くとダウンタウンの入口が見えてきます。
写真の看板のところで道が分かれていますので、ダウンタウンに行く方は左、ループ鉄道に乗る方は右奥の方に進んでください。
発着駅"デビルスゲート駅"
さきほどの分かれ道を右奥へ進んで行くと名物のデビルスゲート・ハイブリッジが見えてきます。
橋をくぐった先が発着駅のデビルスゲート駅です。駅は道の行き止まりの場所にあり、ちゃんと駐車場も完備されています。
事前にインターネットで予約してプリントアウトしておいた用紙を受付に出せば、名前の入ったチケットと交換してもらえます。受付の隣にはお土産コーナーも併設されています。
出発までちょっと時間があったので駅周辺を写真撮影しました。綺麗な渓流と緑に囲まれた気持ちの良い場所です。
平日にも関わらずなかなかの人出で、すでに乗車口には列ができていました。ちなみにデビルスゲート駅は標高2,600mの位置にあり、私が行ったのは7月も半ば近くの夏だったのですが、天候が曇りだったせいもありかなり肌寒かったです。
最初半袖でいたのですが、出発直前に急いで車に戻り長袖を羽織りました。皆さんも行かれる際には服装に注意してください。
いよいよ乗車!ほぼ満席!
座席は自由です。客車は大きく分けて屋根付きと屋根なしがありますが、空いているところに早いもの勝ちで座ってOKです。
編成は日によって違うと思いますが、わたしが乗った日は全部で7両くらい客車を牽引していたと思います。
見どころはデビルスゲート・ハイブリッジ
出発してすぐにクライマックスはやってきます。高さ約30mの位置にある鉄橋をゆっくりと進んでいきます。
下の動画は復路で撮影したデビルスゲート・ハイブリッジを渡る様子です。かなり低速で慎重に走っているのがよくわかると思います。
ジョージタウン・ループ鉄道 (Georgetown Loop Railroad) ~デビルスゲート・ハイブリッジ (Devil's Gate High Bridge)
途中駅"レバノンマイン駅(Lebanon Mine)"
チケットを取る際にオプションを付けておくとここで降りて、マインツアーに参加することができます。本物の鉱山に入れたり、マインニング体験などもできるみたいです。
わたしは今回時間がなかったので参加しませんでしたが、お子様連れの家族で賑わっていたようです。+$10ほどで参加できますので興味がある方はいかがでしょうか。
発着駅"シルバープルーム駅"
デビルスゲート駅から30分ほどで終点のシルバープルーム駅に到着します。
駅名の隣に9,178フィートと書かれていますが、標高約2,800mです。ここで機関車を前後入れ替える時間が10~15分ほどあり、しばらく停車するのでトイレに行ったり暖かい飲み物を買いに行ったりできます。
今回私はデビルスゲート駅から乗車しましたが、こちらのシルバープルーム駅から乗車することもできます。シルバープルーム駅には車庫があり整備中の機関車や貨車を見ることができます。
写真3枚目はバックで復路の先頭車両と連結しに行く場面です。この入れ替え運転は若い女性の方がやっていたことに驚きました。身を乗り出しながら運転する姿はとてもかっこ良かったです。
再びデビルスゲート駅へ
帰りはバックで牽引して行きます。これから乗車しに行く方へのアドバイスとしては、シルバープルーム駅での15分くらいの休憩時間に行きとは反対側の席に移動することです。
シルバープルーム駅に着くと一旦かなり空きますのでその時に席の移動をすれば帰りは反対側の景色を楽しむことができます。
到着してもすぐに降りない!
デビルスゲート駅に到着すると再び機関車の入れ替え運転があります。
さっさと降りずに席に残っていると目の前を蒸気機関車が通過して行くのを楽しめます。シルバープルーム駅で見逃した方はここでもう1回チャンスがあります。
ジョージタウン・ループ鉄道 (Georgetown Loop Railroad) ~デビルスゲート(Devil's Gate)での前後入れ換え~
まとめ
ジョージタウンの説明でも触れましたが、デンバーからのアクセスも良く、リーズナブルに本物の蒸気機関車を楽しめます。
コロラド州はウェスタン鉄道の聖地と呼ばれるほど、今もなお当時の面影を残した観光鉄道が多く残っていますが、ジョージタウン・ループ鉄道はその中でも人気鉄道TOP5に選ばれるほどです。
10月~12月はハロウィンイベントやクリスマスイベントなどもあり、1年を通して鉄道ファンを魅了しているおすすめの観光スポットです。