PECOには3種類のHOナローポイントレールがあります。
左からSL-E495、SL-E491、ST-405です。どれもコードは80です。
ここではそれぞれのポイントレールを比較してみます。
関連記事>>HOナローのフレキシブルレールを比べてみた ~PECO(SL-400)とPECO(SL-404)本線用
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SL-E495/SL-E491/ST-405の寸法を比較
SL-E495 本線用 中型ポイントレール(右)
PECO SL-E495 OO-9/HOe (9mm) 中型ポイントレール(右)(本線用) コード80 (選択式)
- 長さ:143mm / 半径:457mm / 角度:14°
- エレクトロフログ(選択式) ⇒ フログ部が導電体
- 篠原模型方式
SL-E491 小型ポイント(右)
PECO SL-E491 OO-9/HOe (9mm) 小型ポイントレール(右) コード80 (選択式)
- 長さ:125mm / 半径:304mm / 角度:19.5°
- エレクトロフログ(選択式) ⇒ フログ部が導電体
- 篠原模型方式
ST-405 セットラック ミニポイントレール(右)
PECO ST-405 OO-9/HOe (9mm) ミニポイントレール(右) コード80 (非選択式)
- 長さ:87mm / 半径:228mm / 角度:22.5°
- インサルフログ(非選択式) ⇒ フログ部が絶縁体
- TOMIX方式(片側選択式)、KATO方式
通電方式について
エレクトロフログとインサルフログ、篠原方式、TOMIX方式、KATO方式は以下の別記事で解説しています。
関連記事>>PECOのポイントレール(エレクトロフログとインサルフログ)を徹底解説!選択式と非選択式の違いを理解する
枕木表現の比較
PECOのOO-9/HOe用レールには以下の2種類があります。
- Main Line Sleeper Type(SL-E495/496)
- Irregular Sleeper Type(SL-E491/492とST-405/406)
どちらも木枕木ですが、SL-E495/496は本線用なので枕木の形状がきっちり長方形です。対してSL-E491/492とST-405/406は少し歪で、わざと斜めに固定されています。これはフレキシブルレールも同様です。
フレキシブルレールの比較は以下の記事をご参照ください。
関連記事>>HOナローのフレキシブルレールを比べてみた ~PECO(SL-400)とPECO(SL-404)本線用
HOn2-1/2 篠原模型のポイントレールとの比較
ここで番外編として、篠原模型さんのHOn2-1/2のポイントレールとの比較です。HOn2-1/2も縮尺が1/87の軌間9mmなので、HOナローのレイアウト製作に最適です。当店で販売しているレイアウトベースも、PECOレール仕様と篠原模型レール仕様の2種類があります。二つは縮尺と軌間こそ同じですが"コード"が異なります。PECOはコード80、篠原模型さんはコード60です。
篠原模型 HOn2-1/2 R150mm Turuout
- 寸法:長さ:75mm / 半径:150mm
- エレクトロフログ(選択式) ⇒ フログ部が導電体
篠原模型 HOn2-1/2 R200mm Turuout
- 寸法:長さ:97mm / 半径:200mm
- エレクトロフログ(選択式) ⇒ フログ部が導電体
PECO ST-405と篠原模型 HOn2-1/2 R200mm Turuout
サイズ感が近いふたつを並べてみました。左がPECOのST-405、右が篠原模型のR200です。
直線部分の長さはほぼ同じですが、篠原模型は半径が200mmということで省スペースなレイアウトに適しています。R150は更にミニレイアウト向きです。
以下のレイアウトベースは実際に篠原模型のR150を使った作品です。
上のレイアウトベースは約435mm x 285mmでカーブ半径が100mmのミニレイアウトです。
直線部分は180mmほどしかありませんが、充分に引き込み線を設置できました。
ちなみにフレキシブルレールも篠原模型さんを使っています。
選び方
お客様からどれを選んで良いのかわからないというご質問をたびたび受けますので、選ぶ基準をまとめてみます。
関連記事>>レイアウトのプランニング前にPECOポイントレールの原寸大型紙を入手する手順
- レイアウトプラン(大きさ)を考える
- レイアウトのコンセプト(森林鉄道、鉱山鉄道など)を考える
レイアウトプラン(大きさ)
どのくらいの大きさでレイアウトを製作するのか決めます。6畳の部屋を丸ごと使うのか、1畳分程度にとどめるのか、あるいはミニパイクか。
全体の大きさが決まれば曲線半径や直線部分の長さも定まります。さらにどのポイントレールが最適かわかります。
レイアウトのコンセプト(森林鉄道、鉱山鉄道など)
レイアウトのコンセプトによりポイントレールも変わります。
"枕木の表現の比較"でも書きましたが、PECOのHOナローレールには枕木の形状が異なる"Main Line Sleeper Type"と"Irregular Sleeper Type"の2種類があります。
"Main Line Sleeper Type(本線用)"と"Irregular Sleeper Type"をぐちゃぐちゃに使えばコンセプトがぼやけてしまいます。セクションごとに使い分けるためにも枕木の表現が違うことは覚えておきましょう。
ベースに置いて比較する
これは当店のオリジナルレイアウトベースのベース部分です。サイズは約A3サイズです。これにそれぞれのポイントレールを置いてみます。
SL-E495 長さ→143mm / 角度→14°
最小半径を115mmにしていますが直線部分が150mmほどしかないため、直線部分をほぼポイントレールで占めている状態です。フレキとの接続箇所がカーブと直線の境あたりになるので接続箇所が歪みやすくなります。加えて角度も14°しかないので引き込み線の行き場がかなり苦しくなります。
SL-E491 長さ→125mm / 角度→19.5°
長さが18mm短くなるので接続箇所の問題はなくなります。また角度も19.5°あるので引き込み線もなんとかなりそうです。
ST-405 長さ→87mm / 角度→22.5°
長さが更に32mm短くなり角度も22.5°になります。接続箇所、引き込み線ともにかなり余裕があります。 現在構想中ですが、A3レイアウトベースのPECO ポイントレール仕様はこの形になると思います。
レイアウトベースを作り始めた頃はST-405は発売されていなかったので、PECOのポイントレールを使ったレイアウトベースは約A2サイズ(600x450)で作っていました。
下の画像はお客様のご要望により、SL-E491を使った引き出し線仕様です。
まとめ
"ベースにおいての比較"はあくまでA3サイズやA2サイズなどの卓上レイアウトの場合です。潤沢にスペースを使える方はそこまでシビアに考える必要はありません。
最後におさらいです。
・OO-9/HOe用には"Main Line Sleeper Type"と"Irregular Sleeper Type"がある
・枕木の表現が違う
・長さも角度も違う
・選び方は作りたいレイアウトのプランとコンセプトによる
・ミニパイクにはST-405がおすすめ
ナローゲージショップでは、すべてのPECOレールを通販にて販売しています。
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