トータス(Tortoise)のポイントマシンは、消費電力が小さくDCC化もかんたん、なおかつ実感的なスローアクションタイプということで人気の商品です。
当店で販売する商品には英文の公式説明書が付きますが、以前より電動化のための図解のご要望をいただいていました。ここでは配線方法と取り付け方を解説します。
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トータス(Tortoise)のポイントマシンについて
配線方法、設置方法の前にトータス(Tortoise)のポイントマシンについて、正しい読み方や特徴、メリット・デメリットの解説です。
Tortoiseの読み方はトータス?タートイズ?
日本では"タートイズ"と呼ぶ方もいますが、正確には"トータス"です。スペルの雰囲気と亀のデザインに惑わされて"タートイズ"な感じがしますがトータスです。
亀は英語で"turtle"と"tortoise"のふたつがあります。前者は海亀で後者は陸亀を意味します。
日本では「亀=タートル」の印象が強いですが、英語では海亀と陸亀で単語が変わります。それを踏まえてパッケージのデザインを見ると確かに甲羅がこんもりとしている陸亀なのがわかります。
トータス(Tortoise)ポイントマシンの特徴
- 1番の特徴はスローアクションタイプ
- ストールモーターと呼ばれる特殊なモーターを搭載している
- 常時通電状態で切り替えている側のレールにトングレールを密着させる
- 極性を反転させることでポイントを切り替える仕組み
トータス(Tortoise)ポイントマシンのメリット
- ジーッとゆっくりポイントが切り替わり、より実感的な動き
- 常時通電させても問題ないくらいの低電流で動作する(最大でも20mA程度)
- DCC化した場合にも給電はレールから取ることができる
- 動作音が静かで、付属のピアノ線1本でポイントを動かせる
- ストロークの調整(ピアノ線の可動範囲)も簡単
トータス(Tortoise)ポイントマシンのデメリット
- 1番のデメリットはマシンのサイズが大きい
- 基本的に縦の状態でボードの下に取り付ける
- ボード下に最低でも100mm以上のスペースが必要
- 横向きで付けるためのリモートマウント(CIR-6100)が必要
配線方法(電動化)の手順
用意するもの
- トータス スローモーション スイッチマシン
- 駆動用のピアノ線
- ピアノ線固定用ビス
- 駆動範囲を簡単に調整できるアタッチメント
- 6P トグルスイッチ (ON-ON)
- 配線 (青・赤・黒)
- ニッパー
- ハンダ
- ハンダこて
②と③と④は付属品です。配線は説明の際にわかりやすくするために青のコードも用意しましたが、赤黒の2種類だけでも問題ありません。スイッチは2PなどのON-OFFではなく必ず6PのON-ONスイッチにしてください。
※前提としてスイッチマシン1台をDCで動作させる場合のものです。DCC化する場合とは異なります。
トータス(Tortoise)ポイントマシンの配線図
こちらが電動化するための配線図です。トータスのポイントマシンの配線はとても簡単です。電気工作に苦手意識を持っている方でも、何か所かハンダ付けするだけですぐにできちゃいます。
配線図を確認したところで、用意した材料を使って実際にやってみましょう!
①トグルスイッチの配線
まずはスイッチの配線からです。トグルスイッチの中で配線をジャンパーさせます。画像のように①と⑥、②と⑤をつないでください。中段の③と④はポイントマシンと接続する分です。
※スイッチの色が青なのでわかりづらくなってしまいすみません。
②給電用の配線
今回はパワーパック(TOMIX N-1000-CL)のポイント用からワニ口クリップで挟んで給電します。
適当な長さに配線をカットしてクリップにハンダ付けすれば給電用の配線は完成です。反対側はトグルスイッチの①と②に繋ぎます。
③ポイントマシンとの配線
適した長さにカットした配線をトグルスイッチの③と④にハンダ付けします。
反対側をポイントマシンの①と⑧(両端)にハンダ付けすれば配線は完了です。
動作確認 ~トータス(Tortoise) スローアクションポイントマシンの動き~
トータス ポイントマシン ~Tortoise SLOW MOTION SWITCH MACHINE~
動作確認の様子をYoutube動画でアップしました。ゆっくりとスムーズな動きで切り替わっています。
かなり至近距離で撮影しているのでそれなりに動作音が入っていますが、レイアウトに組み込んだ場合にはベースの下に付くこともありそれほど気にならないと思います。
トータス(Tortoise)ポイントマシンの設置方法
動作確認ができたら実際にポイントレールに組み込んで動かしてみます。ここではPECOのOO-9/HOeのポイントレールを使います。
PECOのポイントレールはバネの力でパチンと切り替わる仕様になっているので、そのままだとスローアクションどころかトータスのスイッチマシンではポイントが切り替わりません。設置の際にちょっとだけ加工が必要です。
①ポイントマシンに付属パーツを付ける
まずはポイントを切り替えてくれる付属のピアノ線を取りつけます。
説明書に曲げ方の図が出ているので、その形に合わせてペンチなどで曲げてください。かなり固いので手で曲げるのは難しいです。
直角に曲げた方をポイントマシンの駆動部の小さい方の穴に差し込んで付属のビスで固定します。
アタッチメントの真ん中の穴にピアノ線を通してから、スライドさせながら本体に取り付けます。
このアタッチメントは動作時のピアノ線の動きを調節するものです。
アタッチメントを上げれば上げるほどピアノ線の駆動範囲が狭くなります。逆に下げると駆動範囲は広くなります。
アタッチメントひとつで調整ができるのもトータスのポイントマシンのメリットです。
②ベースに下穴をあける
ピアノ線の駆動範囲に穴あけをします。カッターで切り込むよりも少し大きめの丸穴をあけてしまう方が楽です。
画像では電動ドリルに6mmの木工用キリを付けてあけていますが、太めのピンバイスなどでゴリゴリ穴を広げていっても良いでしょう。
③ポイントレールのバネを取り除く
ポイントレールの裏側を見ると赤丸で囲んだところに小さなバネが入っているのがわかると思います。これをニッパーなどで掴んで外してください。軽く引っ張るだけで簡単に取れます。
このバネが付いたままだとトータスのスイッチマシンではポイントが切り替わりません。
バネを取ると右の画像のようにトングレールがグラグラで"どっちつかず"の状態になりますが、これでOKです。
④ピアノ線用の穴をあける
On30用とOO/HO用には赤丸の位置にピアノ線を通す穴があいていますが、N用とOO-9/HOe用には穴があいていません。ピンバイスを使って穴をあけてください。
⑤ポイントマシンを固定する
下穴をあけたらポイントレールにピアノ線を通して本体を固定します。
全部で4ヵ所ビス止めするところがありますが、本体を固定するビスは付属していませんので適したものを用意します。ベースの厚みも考慮してホームセンターなどで買ってきましょう。
⑥動作確認をして完成
Tortoise SLOW MOTION SWITCH MACHINE トータス スローアクションスイッチマシン ~PECOポイントレール編~
通常であればパチンと切り替わるPECOのポイントレールもバネを取るだけで簡単にスローアクションにできます。
この記事で紹介した商品
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