鉄道模型をやっていれば誰でも"DCC"は気になるものです。いつかはやってみたい・・・。そう思っている方も少なくないと思います。ここでは入門編として以下の5つのテーマに絞ってかんたんにご紹介します。
- "DCCとは何か"
- "DCC化のメリットとデメリット"
- "主なDCCのメーカー"
- "デコーダーの種類"
- "おすすめの参考書籍"
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DCCとは
DCCとは"Digital Command Control"の略で、デジタル信号によって鉄道模型を遠隔制御する方式のことです。
デジタル信号を受け取るデコーダーを使うことで、車両の制御だけでなくポイントマシンも制御できます。またサウンド機能付きのデコーダーを組み込めば車両の走行音やアイドリング音、汽笛の音なども楽しむことができます。
DCC化する5つのメリット
車両の個別管理ができる!
何と言ってもこれがDCCの一番のメリットかもしれません。従来の方式(DC方式)ではレール上に複数の車両がある場合、基本的には全ての車両が同じ動きをします(絶縁されている場合は除く)。
しかしDCCの場合は、車両一台一台にそれぞれアドレスと呼ばれる管理番号を設定できて手元のコントローラーひとつでそれぞれ別々の動きをさせることができます。
ポイントマシンの一括管理
手元のコントローラーで個別管理はもちろんのことDCCシステムのルート機能を使うことで、あらかじめ設定しておいた特定ルート上のポイントマシンを一括制御することも可能です。
大レイアウトになればなるほどポイントマシンやスイッチ類の配線などが増えていきますが、DCC化することでコントローラーとポイントマシンを繋ぐ配線は不要になるためスッキリさせることができます。
レイアウトが楽!
DCC運転はレールから電力とデジタル信号を受け取る仕組みになっているので"常時通電"が基本です。つまりポイントなどが複数入った複雑なレイアウトの場合でもギャップ(絶縁)などで頭を悩まされることはありません(リバース線などの一部特殊な場合は除く)。
サウンド機能で臨場感アップ!
スピーカー付きのサウンドデコーダーを搭載することで様々な音を楽しむことができます。蒸気排気音やホイッスル、ベルなどデコーダーによって選べる音と種類は違います。
ヘッドライトや室内灯の管理もできるので、停車中はライトを消灯しアイドリング音のみにし、発車させる時に点灯させ汽笛を鳴らしながらゆっくりと走りだすといった本物さながらの楽しみ方ができます。
パソコンでもコントロール可能!
パソコンやスマホとの連携もひとつの魅力です。アドレスの変更やCV値(デコーダーの機能毎の設定)の変更はもちろん、専用ソフトをインストールし自動運転をプログラムすることも可能です。
基本的な知識は必要になりますが、コントローラーだけではできないことも色々あるので遊び方の幅が広がります。
DCC化する2つのデメリット
コストがかかる
一番のデメリットだと思います。DCCで遊ぶためには車両一台一台にデコーダーを搭載しなければなりません。
専用のコントローラーも必要になるので初期費用がそれなりにかかります。
手間がかかる
自分でデコーダーを搭載する場合、それなりに知識と手間がかかります。ただ手間を惜しんでは鉄道模型は楽しめません。参考になる書籍なども出ていますので基本的な部分はそこまで難しくないと思います。
自信のない方やまずは手軽にDCCを楽しみたいという方は、デコーダー付きの車両も売っていますのでコントローラーと車両だけでも簡単に楽しむことができます。
DCC製品を扱う主なメーカー
Digitrax
1980年代からDCCの開発を行っているアメリカの鉄道模型メーカー。サウンド・走行一体型、サウンド専用、走行専用のデコーダーが各種発売されています。サウンドデコーダーはパソコンを使って音源を書き換えることができ、音源はHPでダウンロードして使うことができます。スピーカーはインピーダンスが8Ωと32Ωに分かれているので交換の際には注意が必要です。
Soundtraxx
Tsunamiシリーズとしてサウンドデコーダーを発売しているアメリカのメーカー。音質の良さが人気です。サウンドの車種は蒸気機関車用、ディーゼル機関車があり、HPでサウンドを視聴することもできます。スピーカーは別売でインピーダンスは8Ωとなっています。
ESU
LokSoundシリーズとしてサウンドデコーダーを発売しているドイツのメーカー。サウンドの車種は蒸気機関車、ディーゼル機関車はもちろん、電気機関車や気動車などもあります。また音源の豊富さが特徴でHPでサウンドを視聴することもできます。Digitraxと同様にパソコンを使って音源を書き換えることができ、音源はHPでダウンロードして使うことができます。ただスピーカーのインピーダンスが100ΩになっているのでESUから発売されているスピーカー以外に交換するのは難しいです。
MRC
わりとリーズナブルな価格でサウンド・走行一体型、サウンド専用、走行専用のデコーダーを発売しているアメリカのメーカー。サウンドの車種は蒸気機関車とディーゼル機関車ですが汎用性が高く、適応メーカーの製品に簡単に取り付けられる「ドロップ・イン」スタイルの製品も多くあります。スピーカーも様々なサイズを別売しているので交換も簡単です。
Lents
一番最初にDCCシステムを開発したドイツのメーカー。サウンドデコーダーの扱いはなく動力車制御用のみですが、Zゲージの車両にも搭載できる超小型デコーダーが有名です。ZゲージやNゲージ、HOナローなどの小型車両のDCC化にはかかせません。
デコーダーの種類
①動力車制御用デコーダー
走行のみDCCで制御できます。サウンドは出ません。
②サウンドデコーダー (動力制御あり)
ひとつで走行とサウンドのどちらも制御できます。デコーダーによってサウンドの種類が違います。
③サウンドデコーダー (動力制御なし)
サウンドのみDCCで制御できます。
④ファンクションデコーダー (付随車制御用)
客車などの動力車以外に搭載することでヘッドライトやテールライトの切り替えや点滅などの操作ができます。
⑤アクセサリーデコーダー / ステーショナリーデコーダー
ポイントマシンや信号機、踏切などの制御に使います。
最初に読みたい書籍
- 『DCCで楽しむ鉄道模型』 著:松本典久
- 『DCCで楽しむ鉄道模型 ~サウンド・応用編~』 著:松本典久
- 『DCCマニュアル 2009』 著:根津達也
当店のDCCバイブルであり、人気のDCCの教科書です。
DCCの概念はもちろん、コントローラーの使い方やプログラミング、デコーダーの搭載方法などを写真や図を使って大変わかりやすく解説してくれています。
この記事で紹介した商品
以下リンクより商品ページへ移動します。
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まとめ
2018年は当ブログでも遅れ馳せながら鉄道模型のDCCに力を入れていきます。まずは既存のDCC車両を走らせてサウンドも楽しみます。初歩的なコントローラーの使い方とプログラミングも勉強します。
次に車両にデコーダーを搭載する方法、ポイントマシンや信号機などのアクセサリーを制御するところまで計画しています。これから始める方と一緒に勉強しながら順番に記事にしたいと思います。