この記事には、マイクロエンジニアリングの引き抜きレールでポイントレールを自作する手順が書かれています。市販品にないポイントレールは、レイアウト作製の幅を拡げてくれます。
PECOのフレキを引き抜いて、互換仕様を作る場合には「はんだの手順」が異なります。くわしくは以下の記事をご参照ください。
関連記事>>【PECOレール仕様】自作ポイントレールのはんだ順序を徹底解説【極秘マニュアル】
【続・HOナロー自作ポイントレール】
ポイント(R100)切り替え部について、
手動転轍機なしでも使えるようにしました。
かんたんにパチパチ切り替わります。
強度を考えて真鍮以外も試しています。#猫屋線 pic.twitter.com/sM0B6ZNYpN— ポイントレール製作室@広報担当 (@narrowgaugeshop) 2020年6月5日
PECOのHOeフレキシブルレール(コード80)を使用してハンドメイドしました。PECOの金属(絶縁)ジョイナーで、HOeレール各種と接続可能です。 通電方式は、PECOエレクトロフログ(=篠原模型方式)と同様にしました。
【鉄道模型レイアウト】自作ポイントレールを徹底解説!半径100mmの分岐器も製作可能!
動画でも詳しく解説しました、本記事とあわせてご覧ください。
☑この記事でわかること
- 自作ポイントレールに必要な材料と道具
- 大活躍!3つの必須アイテム
- きれいにはんだするための5つのポイント
- 自作ポイントレールの5つの注意点
- 自作ポイントレールのメリット・デメリット
目次
自作ポイントレールに必要な材料をご紹介
主な材料は5種類。ここではHOナロー(軌間9mm)のポイントレールをコード70で作るための材料です。
マイクロエンジニアリング 引き抜きレール(コード70)
今回はコード70の引き抜きレールを選択しましたが、他のコードでも作り方は変わりません。またフレキシブルレールを枕木から引き抜いて使うこともできるので、ご自身のレイアウトに合わせて用意してください。
ファストトラックス HOn30 木枕木
長さが約42mmと21mmの2種類の木枕木です。(左がTurnout Ties、右がWood Crossties)
木枕木については、ホームセンターなどの角材をカットして使うのもありだと思います。
ファストトラックス HOn30 PCボード枕木
長さが約49mmと21mmの2種類のPCボード枕木です。(上がTurnout Ties、下がCrossties)
Turnout Tiesの方はギャップが入っていないので、通電を考慮しながら必要な箇所にギャップを入れます。
自作ポイントレールに必要な道具をご紹介
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ポイントレール作りで活躍する道具たちです。順番に紹介しますが、同じ道具でなくても作れるのでご安心ください。
金ヤスリ
フログ部(ノーズレール)やトングレールなどポイントレール作りではとにかく"ヤスリ"ます。そしてそのヤスリがけの精度がかなり重要です。大きさは問いませんが、とにかくよくヤスれるものを用意しましょう。
PCボード用 ギャップカッティッグツール
PCボードにギャップを入れるのに便利なギャップカッティングツールです。三角形の金ヤスリで平らな面でレールをやすることもできます。
クリーニングワイヤーブラシ
はんだ部分やPCボードを掃除するワイヤーブラシです。きさげ刷毛で代用も可能ですが、広い範囲を素早く簡単にできます。
マイクロエンジニアリング トラックゲージ コード70 (Nゲージ用)
引き抜きレールのハンドレイ(ハンドスパイク)の必須アイテム。今回はHOナロー(軌間9mm)のポイントレールを作るので、Nゲージのもので代用しました。
ファストトラックス レールベンダー
ポイントレール作りの肝になる道具。コード40~コード148まで対応でき、レールにしっかりと曲げ癖をつけることができます。小半径のポイントレールになるほど、このベンダーの重要性は高まります。
XURON (ジューロン) レールニッパー
レール専用のニッパーです。FastTracks製でも篠原模型製でもOK。
金ノコや一般的なニッパー、ペンチでも切ることはできますが、断面が潰れ、整える手間が大変です。ひとつあると長いこと重宝するので、レール専用のものをおすすめします。
マスキングテープ
レールなどを仮止めするためのテープです。レールはベンダーで曲げ癖を付けても、反発力で多少はズレます。特にはんだ付けする際に活躍してくれます。
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レールベンダー、トラックゲージ、マスキングテープ。
どれも重要な道具なことに変わりはありませんが、私が特に"これは必須!"だと思う、おすすめのアイテムです。
ゆるい半径のポイントレールであれば、レールベンダーは"必須"ではありませんが、市販品にはない小半径を作る際には、ないと成立しないレベルです。
その昔、自作のレールベンダーを使っていたこともありますが、曲げ癖の付き具合と精度が全然違います。
トラックゲージも精度の高いものを自作できるのであれば問題ありませんが、これも専用のものをおすすめします。
マスキングテープは、上記で説明したばかりですが、レールの仮止めに重宝します。後述する作り方の部分でもかなり画像に映っているのでその重要性はおわかりいただけると思います。
はんだ用ツール一式
- はんだこて
- はんだ
- フラックス
- はんだ吸取線
- こて先クリーナー
- こて先ポリッシャー ケミカルペースト
はんだに必要な道具はひと通り揃えましょう。こて先はレールのコードにもよりますが、私はΦ1mm(白光T18-C1)を使っています。
同じくはんだも細め(1mm以下)の方が作業しやすいと思います。吸取線は、はんだのやり直しには必須なので、初めのうちは大活躍してくれます。
はんだの出来でポイントレールの仕上がりも変わってきます。はんだが得意な方には当たり前のことばかりですが、おさらいしておきましょう。
- こて先にしっかりはんだがのるように、常にきれいにしておく!
- はんだする箇所をしっかり温める!
- フラックスを点付けする!(付け過ぎ注意)
- 1回のはんだは少量!足らない時に追加するようにする。
- こて先のはんだが溶けていくまでしばらく動かさない!
半径140mmの自作ポイントレール(弾性ポイント)の作り方 【レール編】
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前置きが長くなりましたが、実際にポイントレールの作り方を解説します。この作り方で、私は市販品にはない極小半径(R100)の弾性ポイントをレイアウトに組み込めました。
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二つの違いは、トングレールとリードレールが一体化しているか分かれているかです。
実写も模型も普通ポイント(分岐器)が主流ではありますが、弾性ポイントでは綱ぎ目がなくなるので通過音や衝撃が減らせるメリットがあります。
1.台紙(治具)を作る
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まずは作りたい半径のポイントレールの台紙(治具)を用意しましょう。私は篠原模型さんのポイントレールを参考にデザインを決め、低発砲塩ビ板(1mm)で作りました。
工作用紙でも作れますが、"治具"という観点ではこの素材がおすすめです。
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PCボードにする箇所を切り抜き、はんだする際にずれないようにします。PCボードの本数や位置は、半径や通電方式によっても変わります。
2.ストックレール(基本レール~主レール)を作る
基本線と分岐線のストックレール(基本レール~主レール)を作ります。今回作るポイントレールはR140の片開き分岐なので、片方はストレート、片方はR140の曲線になります。
2-1.基本線側のストックレール(基本レール)をやする
印を付けた区間は、ポイントを切り替えた際にトングレール(先端軌条)がくるので、レールの底部をやすります。
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私は手で持ってやっていますが、万力でしっかり固定すると効率も精度も上がると思います。
2-2.分岐線側のストックレール(基本レール)~主レールは、やすってから曲げる
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分岐線側も同じようにトングレール(先端軌条)がくる位置をやすりますが、こちらはR140に曲げ癖を付けます。曲げてからやすっても良いですが、直線の状態の方がやすりが容易です。
基本線と分岐線のストックレール(基本レール)~主レールができあがりました。
3.クロッシング(フログ)を作る
クロッシング(フログ)を作るうえで重要になるのが、ノーズレールだと思います。ノーズレールとは先端の頭部が尖った部分ですが、ここの"合わせ"は車両の走行に大きく影響します。
3-1.基本線側のノーズレールを作る
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コツをお伝えするのが難しいのですが、しいて言えば、まず基本線側は"鋭角にやする"という感じでしょうか。
先端をできるだけ細く(薄く)尖らせますが、"一気にやすろうとせず、確認しながら少しずつ"やするのもポイントです。
できるだけ細く(薄く)尖らせた方がきれいなフログができますが、やり過ぎるとこうなります。先端を薄くし過ぎてレールが割れています。"一気にやすろうとせず、確認しながら少しずつ!"を忘れないでください。
3-2.分岐線側のノーズレールを作る
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基本線側の時よりも角度をつけてやすります。
治具に仮止めした基本線側と、合わせを確認しながら少しずつ。そしてストックレールと同様に分岐線側はやすったあとに曲げ癖を付けます。
分岐線の外レールとなるので、ストックレールほど急カーブにする必要はありません。
これでストックレール(基本レール)~主レールとクロッシング(フログ)部ができあがりです。
残すはトングレール、リードレール、ウィングレールが一体になった"ポイント部"です。
4.トングレール、リードレール、ウィングレール一体型のポイント部を作る
ポイント部は分岐線側から作ります。
どちらから作っても構いませんが、クロッシング周辺のフランジウェイの調整をする際に、分岐線側を基準に基本線側を作った方がうまくいく気がします。

4-1.分岐線側のトングレール、リードレール、ウィングレールを作る
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基本線側のノーズレールの時のように"鋭角に"やすります。
はじめにやすったストックレールと密着させた時に、1本のレールになるようにするイメージです。トングレールがストックレールよりもはみ出していると車輪が干渉するので注意してください。
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トングレールをやすったら、ウイングレールとの境にスミ付けをして、ベンダーで曲げ癖を付けます。
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ギャップカッティッグツール(三角金やすり)を使って、先ほどスミ付けした所のレール底部に切り込みを入れます。
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切り込みを入れたレールは軽く力を入れてあげると曲がります。クロッシング(ノーズレール)と平行になるように合わせてください。
ウイングレールの長さを調整したら分岐線側のトングレール、リードレール、ウィングレールの完成です。
4-2.基本線側のトングレール、リードレール、ウィングレールを作る
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要領と注意点は分岐線側と同様です。トングレールがストックレールよりもはみ出していると車輪が干渉するので、ストックレールと密着させた時に、1本のレールになるように。
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基本線側は曲げ癖は付けないので、レール底部に切り込みを入れ、クロッシング(ノーズレール)に沿って曲げるだけです。
これでガードレール以外のパーツが完成しました。ウイングレールの長さをカットした後に、少しだけ内側に曲げておきましょう。
ガードレールはある程度はんだしたあとに、台車を走らせながら動きを見て作ります。
半径140mmの自作ポイントレール(弾性ポイント)の作り方 【はんだ編】
各レールが完成したら、次ははんだ作業です。ここでもう一度きれいにはんだするためのポイントをおさらいしておきましょう。
はんだの出来でポイントレールの仕上がりも変わってきます。はんだが得意な方には当たり前のことばかりですが、おさらいしておきましょう。
- こて先はしっかりはんだがのるようにきれいにしておく!
- はんだする箇所をしっかり温める!
- フラックスは点付けする!(付け過ぎ注意)
- 1回のはんだは少量!足らない時に追加する
- こて先のはんだが溶けるまでしばらく動かさない!
1.PCボード枕木をカットして、ギャップをいれる
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治具に合わせてPCボード枕木をカットしたら、通電方式を考慮してギャップを入れます。(※ポイント切り換え部は最後に)
市販品ではすでに決まっていますが、自作ポイントレールではレイアウトに合わせて自分で通電方式を決められるメリットもあります。
ここではPECOでいうエレクトロフログ(選択式)にするためのギャップを入れました。
2.ノーズレールをはんだする
まずはノーズレールをはんだして、クロッシング(フログ)を作ります。
ノーズレールをしっかり密着させた状態ではんだしやすいように、いったんPCボード枕木を取りはずして、フログの位置に両面テープを貼ります。
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フログ部はレール同士をはんだ付けするので、他の箇所より多めにはんだを流します。気持ちはんだを盛った状態にして、金やすりで整えてあげるときれいに仕上がります。
3.基本線側の主レールとクロッシングをはんだする
PCボードを治具に戻し、レールを固定します。トラックゲージでしっかり軌間を測り、ずれないようテープで仮止めします。
※このあたりからマスキングテープが大活躍します。
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"きれいにはんだするためのコツ"を暗唱しながら、一箇所ずつ丁寧にはんだします。
とりあえず、ずれない程度に要所をはんだします。いっぺんに全部はんだすると、後から修正する場合にはがすのが面倒です。
4.基本線側のストックレール(基本レール)をはんだする
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ストックレール(基本レール)をはんだします。しっかり直線になっていれば基本線側のストックレール(基本レール)~主レールは"決まり"です。
5.分岐線側のポイント部(トングレール、リードレール、ウイングレール)をはんだする
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分岐線側の弾性ポイント部をはんだします。はんだするのはウイングレールのみです。
この時、基本線側の弾性ポイント部も仮置きして、フランジウェイを確認しながら位置を決めます。
トラックゲージでストックレールとの軌間をしっかり保つのも忘れないように注意します。
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分岐線側の弾性ポイント部をはんだしたら、必ずチェックするのが〇を付けた2点です。
- トングレール⇔ノーズレール(クロッシング)の"通り"
⇒フログ先端とウイングレールの角がずれていないか - ウイングレールの角とフログの間隔
⇒間隔が広すぎて脱輪しないか
1.トングレール~分岐線側のノーズレールへスムーズに通過できるかを確認します。目線を落として、目視で確認するのがおすすめです。
※特にフログの先端がウイングレールの角より内側に入っていると、分岐側に進入する際に車輪が干渉しやすくなるので注意が必要。
2.ウイングレールの角とフログ先端の間隔が広すぎないかを確認します。これは真上から見ると正確に判断できます。
6.分岐線側のクロッシングをはんだする
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分岐線側のクロッシングをはんだします。トラックゲージで主レールとの軌間をしっかり確認しましょう。
7.基本線側のポイント部(トングレール、リードレール、ウイングレール)をはんだする
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基本線側の弾性ポイント部をはんだします。ここでもはんだするのはウイングレールのみです。
しつこいようですが、トラックゲージで主レールとの軌間をしっかり確認します。
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チェックする箇所は、分岐線側の弾性ポイント部の時と同様です。
- トングレール⇔ノーズレール(クロッシング)の"通り"
⇒フログとウイングレールの角がずれていないか - ウイングレールの角とフログの間隔
⇒間隔が広すぎて脱輪しないか
1.トングレール~基本線側のノーズレールへスムーズに通過できるかを確認します。目線を落として、目視で確認するのがおすすめです。
※ウイングレールの角がフログの先端より内側に入っていると、基本線側に進入する際に車輪が干渉しやすくなるので注意が必要。
2.ウイングレールの角とフログ先端の間隔が広すぎないかを確認します。これは真上から見ると正確に判断できます。
8.分岐線側のストックレール(基本レール)~主レールをはんだする
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最後に分岐線側のストックレール(基本レール)~主レールをはんだします。トラックゲージを少しずつずらしながら決めていきましょう。
このレール以外はすでに決まりがついているので、軌間が狭すぎてトラックゲージがキツかったり、歪んだりする場合は、このレールだけ作り直せばOKです。
9.残りの箇所にはんだする
残りの箇所もはんだします。赤丸の箇所は、ガードレールとの兼ね合いやギャップの関係ではんだしていません。
10.ガードレールを付ける
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余りレールでガードレールを作ります。この"余りレール"というのが意外とミソです。
分岐側はR140の急カーブです。主レールにかなりの曲げ癖を付けてあるので、ガードレールをストレートにしてしまうとフランジウェイが調整しづらくなります。
ストックレール(主レール)の余りレールを使えば、良い感じに曲げ癖が付いているはずなので有効活用しましょう。
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以下の2点で悩んでいる方
- 車両がスムーズに分岐側(反位)に行かない
- フログ先端に干渉する、もしくは脱線する
ほとんどの原因は、ガードレールの位置かガードレールの付け忘れです。
お恥ずかしい話ですが、ポイントレールの自作をするまではガードレールは飾り要素の方が強いと(こと模型に関しては)思っていました。
実際にポイントレールを自作すると、ガードレールの重要性に気づかされます。台車を手で動かして確認した時はスムーズにいったのに・・・という方、ガードレールの位置(フランジウェイ含む)を確認してみましょう。
ウィングレールと同様に、少しだけ内側に曲げておきます。分岐線側は急カーブになっているので、車両が背向する場合に遠心力で外側に流され右前輪が干渉しやすくなります。
11. ポイント切り換え部をはんだする
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まずはギャップ入れます。ギャップは3箇所。ポイントを切り替えた時にショートしないよう、電気の流れを考慮して入れます。
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はんだはレールの内側のみです。ポイントを切り替えた時に、他のPCボード枕木のギャップがちゃんと機能するか確認しましょう。
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すべてのはんだ作業が終わったら、この時点で通電確認をします。レイアウトに組み込んでから通電不良が発覚するとかなり萎えるので、早めの確認がおすすめです。
それぞれのポイントの状態で、パワーパックのランプが赤に変わらなければ問題なし。実はこの瞬間が毎回緊張します。
12.はんだ及びPCボード枕木のクリーニング
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いよいよ最後の工程です。最後はクリーニングワイヤーブラシではんだとPCボード枕木を綺麗にしましょう。ブラシを少し斜めに当てながらゴシゴシと。
きれいになりました。これも仕上がりを左右する大事な工程です。
13.半径140mmの自作ポイントレール(弾性ポイント)の完成!
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静かに治具から取り外し、余分なレールをカットしたら完成です。木枕木はレイアウトに組み込んでからハンドスパイク(木工ボンド併用)で固定します。
自作ポイントレールをレイアウトに組み込む
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約A3サイズのレイアウトに設置したところです。枕木を足すとまた雰囲気が変わります。あとは実際に車両を走らせて最終チェックをします。
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引き抜きレールのギャップ(絶縁)におすすめなのが、ファストトラックスのレールギャップ(コード70以上用)です。
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レールの断面型にレーザーカットされています。ギャップを入れたい箇所に立てて、レールで挟み込んでから上部をカットするだけ。
自作ポイントレールの走行確認
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試走に使ったのは、ワールド工芸のポーターです。ホイールベースが約17mmの車両ですが、スローでも停まることなくスムーズに通過してくれました。
今回は約A3サイズの引き込み線レイアウトに組み込みました。PCボードのギャップのところ【はんだ編1.】でも書きましたが、通電方式はPECOの選択式や篠原模型のポイントレールと同様です。
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給電とレールギャップは一箇所ずつ。開通していない側のレールを”同極性”にします。
(12/30追記)トングレールの補強
当店で自作しているポイントレールは市販品にはない小半径ということもあり、しっかり曲げ癖を付けていますがトングレール部への負荷が大きくなります。
上の画像は、トングレールのはんだがはずれてしまったとお客様よりご報告いただいたものです。経年劣化が避けられませんが、はんだの強度を少しでも補う方法について検討します。
トングレールがはずれる要因
- ストックレール側にははんだ不可
- トングレールには最も負荷がかかる(小半径ではとくに)
- はんだの経年劣化
1.トングレールに穴をあける
まずは丁寧に予備はんだしてトングレールを仮付け。レールの内側の角にピンバイスで穴をあけます。
この時レール底部を欠けさせないように気をつけます。
2.真鍮棒を入れる
支柱として真鍮棒(0.4mm or 0.5mm)を差し込み、レールから少し出る長さにカットします。あまり出し過ぎると車輪に干渉するので注意が必要です。
3.はんだ付けして固定する
はんだを盛って真鍮棒を固定します。1番負荷がかかる部分なので、はんだは多めに盛ります。
4.裏側に飛び出した部分をヤスる
ポイント切り換えに支障が出ないように、裏側に飛び出した部分をヤスリで平らに整えれば補強終了です。
トングレールの補強 まとめ
真鍮棒を支柱にして、レールとスローバー(切り換え部)を一体化させることで、片側しかはんだできない強度不足を補えていると思います。
レールとPCボードを貫通させ、真鍮棒の頭を少し出しておくことで、はんだが経年劣化してもトングレールがピンで固定されている状態を目指しました。
今回ツイッターでいただいた先達のご教示により、はんだの経年劣化に対する認識の甘さを痛感しました。とくに可動部には負荷がかかるため、少しでも安心して長くお楽しみいただけるよう、今後の課題として改良を続けて参ります。
まとめ【自作ポイントレールのメリット・デメリット】
大変長くなりましたが、以上で自作ポイントレールの解説は終了です。自己流の部分や説明不足の箇所もあるかもしれませんが、少しでも参考になれば嬉しく思います。
最後にまとめとして、自作ポイントレールのメリットとデメリットで締めたいと思います。
自作ポイントレールのメリット
- 好きな半径で自由に作れる(市販品にはない小半径も可能!)
- 小型車両でもスローで通過できるポイントを作れる
- 通電方式(選択式か非選択式か)を好みで選べる
- 好きなゲージ(レール幅)のポイントレールを作れる
- "材料費"が安上がり
自作ポイントレールのデメリット
- 制作に必要な"道具"が多い
- 道具などの初期投資に費用がかかる
- 手間がかかる
この記事で紹介した商品
以下のリンクよりナローゲージショップの商品ページへ移動します。
- マイクロエンジニアリング 引き抜きレール コード70 (約914mm/3本)
- Fast Tracks HOn30 木枕木詰め合わせ (約21mm×2mm×1.5mm) (200本)
- Fast Tracks HOn30 PCボード枕木 ギャップ入り (約21mm×2mm×1.5mm) (37本)
- Fast Tracks HOナロー ポイント用 PCボード枕木 (約49.5mm×2mm×1.6mm) (29本)
- マイクロエンジニアリング Nゲージ(9mm) コード70用 トラックゲージ
- Fast Tracks レール曲げ器 レールベンダー (コード40~コード148用)
- XURON(ジューロン) レール切断用ニッパー Z・N・HO用