今までに"PECOのフレキシブルレールを固定する方法"、"レールニッパー使ってPECOのフレキシブルレールを簡単にきれいに切断するコツ"、"PECOのフレキシブルレールにフィーダー線を付ける手順"について記事を書きました。
今日はこれらの記事を参考にしてエンドレスのミニレイアウトを作る手順とコツを解説します。
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・…━… 目次 …━…・‥
用意するもの
- ベース (4mmベニヤと2mmコルクを張り合わせたもの。サイズは約A3サイズ)
- PECO OO-9/HOe用 SL-400(コード80) フレキシブルレール 2本
- PECO SL-310 金属ジョイナー
- PECO SL-14 レール固定ピン
- ピンバイス (2種類)
- ハンダコテ
- ヤニ入りハンダ
- XURON (ジューロン) レールニッパー
- ラジオペンチ
- ニッパー
- 金ヤスリ
- フィーダー線 (赤/黒)
STEP 1 ベースにけがき線をひく
まずはレールを敷きたい形にけがき線をひきます。私はいつも型紙を画鋲で留めてコンパス代わりにしています。今回は半径115mmの小判型のエンドレスでレールを敷きます。
STEP 2 配線用の下穴をあける
給電用のフィーダー線を通すための下穴をあけます。
太さ1mmくらいのピンバイスで少し穴を広げるように何回かグリグリすれば一般的な配線は通ります。
レールをおいて位置を決める
外側の穴はレールを置いて位置を決めます。
この後の工程でジョイナーにフィーダー線をハンダ付けするのですが、私のやり方ではジョイナーの真下にフィーダー線が来るのでこのようにレールを置いてしっかり位置を決めることが重要になります。
STEP 3 フィーダー線をハンダ付けする
レールを敷き終わったあとにジョイナーの横にハンダ付けする方法もありますが、私はジョイナーから真下に下ろしてフィーダー線を完全に隠すので先にハンダ付けしておきます。
先にジョイナーを付ける
ジョイナーだけにハンダ付けしようとするとジョイナーが動いてしまいなかなかうまくできません。
先にレールにジョイナーを付けてからハンダ付けすると安定するので作業が楽になります。
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ハンダが苦手な方におすすめ!
ハンダが苦手な方はジョイナーにフィーダー線がハンダ付けしてある便利な商品があります。画像はコード55/80用ですが、他にもコード70/75/83用とコード100/125用があります。
フィーダー線の長さは約20cmなのでミニレイアウトであれば充分な長さです。
下穴にフィーダー線を通す
ハンダ付けができたら先ほどあけた下穴にフィーダー線を通します。
これで下準備が終わり次からはレールを固定していきます。
STEP 4 レールを固定する
スタート位置はほぼ真ん中です。ベースの半分の位置にもけがき線をひいてあるので直線部分は線から115mmの位置に固定していきます。
ピンを打っていく間隔はカーブの半径などにもよりますが、私はだいたい枕木4~5本間隔です。
あとは状況に応じて適宜足します。
わたしは0.4mmのピンバイスで下穴をあけてから固定ピンを差し込んでいます。
ピンバイスが太すぎたり、下穴を貫通させてしまうとピンが緩くなりしっかり固定されないので注意が必要です。
下穴は枕木を貫通させてベースのベニヤに少し刺さるくらいが良いでしょう。浅過ぎてもピンが入りにくいのでさじ加減は慣れるしかありません。
カーブを留めていく時のポイント
直線部分を留めたらカーブに取り掛かりますが、画像のようにけがき線に沿って曲げておくと作業しやすくなります。
曲げる時に一気にグイッとやってしまうと、揃っていたスタート部分の内レールと外レールが大幅にズレてしまうので注意が必要です。
このようにズレてしまいます。もちろんラジオペンチなどで引っ張れば直りますが、なかなかの力が要りますし、レールを傷つける可能性もあるのでできることならやりたくない修正です。
極力ズレないようにするためには"曲がり始め"と"カーブの頂点あたり"を指でしっかり押さえて少しずつ曲げていくことです。
わかりずらいですが、画像のようにレールを指で抑えてゆっくり曲げるとズレは最小限に抑えられます。
これくらいなら指の腹で押しながら簡単に修正できます。
固定ピンを押し込む時のコツ
下穴をあけたらピンを刺して最後はラジオペンチなどで掴んで押し込みますが、その時のコツと注意点です。
画像のように手でレールがずれないように押さえて、自分の指をガイドにしてラジオペンチを指に沿わせるようにして押し込むのがコツです。
できるだけピンの根本部分を掴むのもポイントです。
こちらは失敗例です。
下穴をあけてるとはいえ最後に押し込む時にはそれなりに力がいります。画像のように手を添えないでやった場合によくなるのがこんな感じです。力がしっかり真下にかからずピンが歪んでしまいました。
下穴が浅過ぎてもよくこうなりますので、何回か力を入れてズブッと入らなければ下穴をもう少し深めにしてみましょう。
直線部分に変化をつけてみる
最初のカーブが終わり反対側の直線部分になります。
普通のエンドレスでは芸がないので反対側にはちょっと変化をつけたいと思います。画鋲が刺さっている位置が直線部分の真ん中ですが、ここを少しだけ内側に入れてひょうたん型にします。
真上から見るとたいした変化に見えませんが、目線を落としてみるとしっかり変化がついているのがわかります。
A3サイズくらいだと直線部分が短いのであまり変化をつけすぎると車両が脱線する可能性があるのでこの程度にしておいた方が無難です。
フレキシブルレールの接続位置
A3サイズで半径115mmで敷いていくと1本では足りないので途中でレールを足す必要があります。
ポイントはどこで接続するかですが、わかりやすいように画像に①~③の番号を付けました。画鋲はカーブの始まる箇所です。正解はありませんが、私は③で接続します。理由は以下の通りです。
①→1本のレールを最大限使えますが、接続箇所がカーブの部分で1番外への反発力が強いところです。
②→カーブの頂点で区切りも良く、一見反発力も弱そうに見えますが接続してみると意外とレールが外に開いたりします。
③→余りレールが無駄に見えますが、ひょうたん部分が終わり限りなく直線に近い部分です。接続箇所のセオリーとして、やむを得ない時以外はできるだけ直線部分で繋ぐというのを先達諸兄から学びました。
レールの切断
接続箇所を決めたら切断箇所に印をつけます。このままでは切断しにくいので留めた場所にスミつけしてから一旦固定ピンを抜きます。
横着をしてこのままの状態で切ろうとすると切り口が斜めになったり潰れたりします。
切りやすいように枕木をひとつだけ取り除きました。切断する時はレールを少し浮かせて、レールニッパーの刃を垂直に入れるようにしましょう。
細かいコツなどは下の記事にまとめてあります。
関連記事>>レールニッパーを使ってフレキシブルレールをきれいに切断するコツ
ジョイナーで接続
先にどちらかにジョイナーを付けておきますが、"接続する方"のレールに付けることをおすすめします。半分くらいまでジョイナーを差し込んだらジョイナーとレールをしっかり掴んでスライドさせます。
力を入れても入らない場合は、切断したレールの底がめくれている可能性があるので一度確認してみてください。
ジョイナーとレールをしっかり掴んでスライドさせないと、ジョイナーだけが"接続される方"に差し込まれて、"接続する方"のレールからはずれてしまうので気をつけてください。
接続箇所に隙間もなく綺麗にできました。
切断面が斜めになっていたり潰れてしまっていると隙間ができて脱線の原因になったり、ここを通過する時だけガタッと音がするようになったりします。
エンドレス開通
最後のカーブも終わったらあとは"開通の儀"です。
要領は先ほどと同じですが、気をつけるポイントがあるのでご紹介します。
まずは右の画像のように少し余裕を持ってレールをカットして邪魔になる枕木をひとつ取り除きます。この時のカットはそんなに神経質になる必要はありません。
気をつけるポイント
画像のようにレールを合わせて切断箇所にスミをつけてカットしますが、この時に確認するポイントが二つあります。
①スタート時に固定したレールの内側と外側が揃っているか。
揃っていなくてもカットする方を合わせれば問題はありませんが見栄えが悪くなります。私はここを必ず揃えるようにしています。
②先ほど接続した箇所が離れていないか。
ここはかなり重要です。接続したあとに最後のカーブを固定しますが、接続した直後は隙間がなくても、作業を進めるうちに微妙に隙間が空いてくることがあります。
気づかずに切断箇所を決めてカットしてしまうと、せっかく開通しても隙間が残ったままになってしまいます。
"開通の儀"の時の切断箇所を決める時は必ず確認するようにしましょう。
開通時のコツ
一番初めにフィーダー線をハンダ付けしたジョイナーを付けているので差し込むだけです。
しかし隙間が出ないようにピッタリの長さでカットしているので、画像の位置くらいまで一旦固定ピンをはずします。レールが固定されていると接続しにくいからです。
少し面倒ですが接続したあとに再度きっちり固定していきます。
無事に開通しました。こちらの接続箇所も隙間がなく綺麗にできています。
枕木の追加
接続する時に作業しやすいようにひとつずつ枕木を取り除きましたが、そのままでは間隔が空きすぎて不自然なので追加します。私は枕木を画像のように三分割にして接着剤で留めています。
赤丸で囲んだレールを受けていた部分をカッターで削いでレールの下に滑り込ませても良いのですが、犬釘の表現がなくなってしまうので今のやり方に変えました。
三分割にして接着剤で留めた部分です。
いかがでしょうか。他の枕木と比べても違和感がないと思います。
レール固定ピンをカットする
最後の仕上げはベースの裏側に出た固定ピンをカットして綺麗にすることです。
ベースは4mmベニヤと2mmコルクで計6mm、固定ピンは14mmあるので当然飛び出します。
このままでも表のレイアウトに問題はないですが、うっかり手に刺さったりして危ないです。1本ずつニッパーでカットして金ヤスリと紙ヤスリで仕上げます。
ニッパーでカットしただけだとどうしても引っかかる部分が残るので、面倒でも紙ヤスリはともかくとしても金ヤスリはかけておいた方が良いと思います。
レイアウトベースは商品として販売しているので、レールを敷く部分は当然ですが、こういう細かい部分にも細心の注意をはらっています。
台枠にセットして完成
当店の場合は住宅リフォーム用の羽目板で作った台枠にセットして、正面右側にコスミックさんのパワーパックかスピーカー端子を取り付けて完成となります。
台枠がなくてもフィーダー線とパワーパックを繋げばすぐにお持ちの車両を走らせて遊ぶことができます。
この記事で紹介した商品
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