レイアウトプランや使うレールが決まったら天板となるベースを切り出します。
使う材料は各種ありますが、ベニヤや発泡スチロール(スタイロボード)は必須です。
ここではレイアウトベースを制作・販売している当店が切り方のコツと注意点を解説します。私が使っている便利な道具もご紹介します。
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ベニヤの切り方と注意点
ホームセンターなどで売っているベニヤを切らずにそのまま使う場合でも、有料のカットサービスを利用した時にも、まず確認したい部分があります。
いきなり注意点です。それは材料の矩(かね)が出ているかどうかです。
つまり直角であるかどうかを工作の前に確認する必要があります。
断面の直角を確認する
買ってきたベニヤは必ずしも直角に綺麗に切れているとは限りません。画像でわかりますがこのベニヤは2,3mmずれています。
ここを基準に寸法を取ってカットすると四方の寸法は合っているのに歪んだベースになってしまいます。
特に台枠などに乗せて作る場合は数ミリは命取りになります。
当店のレイアウトベースは台枠の中に収める仕様なので2mm歪んでいれば納まりません。
けがき線をひく時の便利グッズ
- おすすめは"Uzumaru プラス"
直角を出せるだけでなくレイアウトの半径をけがく際にもずれにくい。半径110mmまで対応しているのでミニパイクに最適。
- L型の差し金や普通の分度器でも代用可
元々の切り口を利用しないで、自分でしっかり直角を出してけがき線をひきましょう。
もちろん切り口が直角であればそこを基準に寸法を取れば、カットする箇所が2箇所で済むので利用してください。
対角寸法の確認
L型の差し金や"Uzumaru プラス"を使って寸法を取れば問題はないと思いますが、それらを使わない場合に歪みがないか確認する方法です。
けがき線をひいたら対角に線をひいて寸法が同じか確認しましょう。
これが異なれば正確な長方形ではないということです。懐かしの三平方の定理を使えば確実です。
ベニヤを綺麗に切るコツ
- 4mmベニヤくらいまでならカッターで切ることができる
- いきなり力を入れて切ろうとしない
- 最初の3,4回は力を入れずに定規に沿わせてスーッと動かす程度
- けがき線に沿ったスジができてから徐々に力を入れる
- スジができていると力を入れてもカッターの刃がずれにくい
厚さ4mmともなるとそんなに簡単に切れません。カッターを何回も動かして少しずつ切っていきます。
ありがちなのは、早く切ろうとして最初からパワー全開でカッターを動かしてしまうこと。反対の手で定規を抑えているので、最初からカッターに力を入れすぎると定規がずれやすくなります。
- スジを付ける時は寝かせた状態でもOK
- カットする時は立てた状態にする
寝かせた状態で切り続けるのとではかなりの差がでます。
ベニヤとコルクの接着
当店のレイアウトベースは振動・防音効果を考えてベニヤの上に2mmのコルクを貼っています。
ベニヤにままでも問題はありませんが、走行音などは結構変わります。
- 使う接着剤はボンドG17を使用
- 木工用ボンドはバラストやパウダーを固着する際に、ボンド水溶液によりコルクがベニヤから剥がれる可能性がある
ベニヤとコルクを張り合わせたら枠と合わせてみます。あまりピッタリ過ぎると納める際にコルクの端が折れるので注意が必要です。
- 断面がちゃんと直角か確認する
- 便利グッズ"Uzumaru プラス"がおすすめ
- 対角の長さで確認する
- ベニヤを切る時は"スジ"を入れてから。最初はスーッと!
- カッターの刃は立てると早く切れる
- コルクとの接着剤にはボンドG17を使用
発泡スチロール(スタイロ)の切り方 使う道具と注意点
ベースをかさ上げしたり山などの地形表現には発泡スチロールやスタイロフォームが使われますが、その際におすすめの道具と使用上の注意点です。
スタイロフォームは発泡スチロールと異なり、切りやすく切りくずも出にくいのですが、いかんせんスタイロフォームはお高いものです。
できれば発泡スチロールを上手に使ってコストダウンしたいので、まずは道具の解説をします。
①精密カッターで切る
- 発泡スチロールを切る時は新品の刃を使うこと
- 新品の精密カッターの刃は切れ味が抜群で細かい工作にもピッタリ
- 刃がデリケートなのでベニヤなどの固いものには使わない
②発泡スチロール専用カッターで切る
- "Silky 発泡スチロール用 カッター"
- 切りくずが気にならないのと摩擦を抑える構造の波刃が売り
- 値段も手ごろでなかなか使い勝手の良い製品
- 切れ味はTAMIYAのクラフトナイフの方が上
③発泡スチロールカッター 電熱線タイプで切る
- "HAKKO スチロールカッター 電源式 "
- 電熱線を使い、溶かしながらカットするので切りくずはまったく出ない
- 真っ直ぐ切るには不向き
- 曲線加工が自在にできるので、山や地形の成形時には大活躍
精密カッターで切る時の注意点
横から見た画像です。左が失敗、右が成功の写真です。
上から見ると定規に沿って真っ直ぐ切れている気になるのですが、刃が斜めに入っていると横から見た時にこのくらいずれます。
発泡スチロールの厚みがあればあるほどこうなりやすいので、カッターの刃を垂直(真下)に入れることを意識してください。
使い古したカッターで切ったダメな例
これは普段ベニヤなどの固いものに使っているカッターで切った場合です。切り口が汚いうえに切りくずもスゴイです。
そして静電気でカッターの刃にも付いていて掃除も大変。発泡スチロールを使いたくない一番の理由がこれになるのではないでしょうか。
・発泡スチロールを切る時は精密カッターの新品の刃で!(スチロール専用にする)
・山や地形の成形の時には電熱線タイプがおすすめ
・普段使いのてきとうなカッターは絶対使わない!
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