"Bトレの車両は持っているけど、走らせるレイアウトがない"
"ジオラマレイアウトを作ってみたいけど、何をどうすればいいんだろう"。
この記事では、そんな悩みを解決するためにBトレインショーティ用レイアウトベースの作り方を解説します。主な材料はPECOのNゲージ用フレキシブルレールとポイントレールを使います。
Nゲージは鉄道模型の入門ゲージです。Bトレに限らず、これから鉄道模型を始めてレイアウトにもチャレンジしたい!という方におすすめの内容です。
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用意するもの
はじめに主な材料の紹介です。当店ではPECO製品を豊富に取り扱っているので基本的にPECOを使います。
PECO SL-300 Nゲージ (9mm) フレキシブルレール(木枕木) コード80 914mm
Nゲージ用のフレキシブルレール(914mm)です。今回は2本使います。スナップ式の道床付きレールの方が簡単ですが、せっかく作るなら一手間かけてより実感的なレイアウトにしましょう。フレキシブルレールを使うことでより実感的に仕上がります。
PECO ST-5 Nゲージ (9mm) 小型ポイントレール右 コード80 非選択式
今回のレイアウトは引き込み線を設けました。楕円のエンドレスに分岐が一つあるだけで変化がついて楽しくなります。
PECO SL-310 N/OO-9/HOe (9mm) 金属ジョイナー(コード80/55)
レールを接続するためのジョイナーです。NゲージだけでなくOO-9やHOeにも使えます。
PECO SL-311 N/OO-9/HOe (9mm) 絶縁ジョイナー(コード80/55)
こちらもレールを接続するためのジョイナーですが、金属ジョイナーと違って電気を通しません。今回使うポイントレールの場合には1箇所だけ絶縁ジョイナーにする必要があります。
PECO SL-14 レール固定ピン(14mm)
レールを固定するためのピンです。フレキシブルレールの枕木に刺して使います。
Bトレイン用レイアウトベースの作り方
今回は楕円レイアウトに引き込み線を設けたシンプルプランです。詳しい寸法は以下の通りです。
- ベースサイズ⇒約435mm x 約285mm (約A3サイズ相当)
- レール半径⇒約100mm
- 直線部分⇒約180mm
① けがき線をひく
まずはレイアウトプランをベースにけがいていきます。イメージが湧くのはもちろんですが、レールを敷いていくためのガイドにもなるので大切な作業です。
青い線はベースの中心です。中心線上で半径を決めてレールの位置をけがきます。
カーブをけがく時に便利な定規が"Uzumaru + Ver.a"(画像左)です。元々は革細工用の定規として作られたようですが、鉄道模型のレイアウト制作においても使い勝手の良い商品です。
- 10mm~110mmまでけがくことができる
- コンパスと比べてずれにくいので正確に線をひける
- けがき線だけでなくカットにも使える
画像右は工作用紙を使った自家製コンパスです。半径110mm以上の場合はこの簡易コンパスでけがき線をひいています。
② ポイントレールの位置を決める
けがき線上にポイントレールを仮置きして位置を決めます。これは私の手順ですが、ポイントレールをスタートにして、位置を決めたらフィーダー線も先に取り付けます。
画鋲が刺さっているところはカーブから直線になる境界ですが、この位置で接続してしまうと接続部がレールの反発に負けて外に開きやすくなってしまうので注意してください。少しでも直線部分の位置で接続するようにしましょう。
③ フィーダー線を取り付ける
ポイントレールの金属ジョイナーに給電用のフィーダー線をはんだ付けします。詳しいはんだのやり方は"PECOのフレキシブルレールにフィーダー線を取り付ける手順"を参考にしてください。
今回使ったポイントレール(PECO ST-5)は元々片側には金属ジョイナーが付いています。フィーダー線をはんだする際には、先にもう片側にもジョイナーを付けて裏返した状態で行うと付けやすいと思います。
はんだが苦手な方やはんだこてをお持ちでない方には、"PECO PL-82 配線済みジョイナー (コード55/80)"をおすすめします。最初から金属ジョイナーにフィーダー線がはんだ付けされている便利なアイテムです。
④ フィーダー線の穴をあける
先ほど決めたポイントレールの位置にフィーダー線を通す穴をあけます。私はいつも0.8mmくらいのピンバイスを使っていますが、穴を大きく開けすぎないように注意してください。
⑤ フレキシブルレールを固定していく
フィーダー線を通してスタート位置が決まったら、フレキシブルレールを接続して固定していきます。使う道具は2種類です。
- ラジオペンチ
- ピンバイス (0.4mm)
手順は3つです。
- ピンバイスで下穴をあける
- 固定ピンを差し込む
- ラジオペンチで押し込む
- 下穴は枕木の中心に開ける!⇒Nゲージの枕木は幅が細いので注意!
- 下穴を貫通させない!⇒貫通させてしまうと固定ピンが緩くなる!
更に詳しく知りたい方は、"PECOのフレキシブルレールを固定する方法"をご覧ください。
⑥ フレキシブルレールをカットする
レールが1本では足りないので、どこかでレールを接続することになります。今回は外周のちょうど半分の位置でカットして接続することにしました。使う道具は2種類です。
- 金ヤスリ
- レールニッパー (XURON 2175B) ⇒ 金ノコでも可
手順は3つです。
- カットする位置にスミ付けする
- レールニッパーでカットする
- 金ヤスリで切り口を整える
- スミより気持ち長めに切る!⇒微調整は金ヤスリで仕上げる
- レールニッパーの刃を垂直に入れる!⇒切り口が斜めにならないように!
- 金ヤスリを垂直にかける!⇒バリを取ってジョイナーを付けやすくする!
更に詳しく知りたい方は、"レールニッパーを使ってPECOのフレキシブルレールをきれいに切断するコツ"をご覧ください。
ジョイナーで新しいレールを接続したら、レールの固定を再開します。
⑦ 開通部分
いよいよ最後の開通部分です。先ほどと同じ要領でレールをカットして開通させます。
"レールをカットする前に他の接続箇所を確認する"
スタート時とレールを足した時の2箇所を必ず確認してください。接続した時にはしっかり着いていても、他の作業をしている間に隙間ができることがあります。隙間ができた状態でカットしてしまうと修正が非常に面倒なので注意してください。
隙間なくレールを接続できたら、余りレールを使って引き込み線も完成させましょう。
番外編 絶縁ジョイナーの位置
今回使うポイントレール(非選択式)の場合には1箇所だけ絶縁ジョイナーにする必要があります。これはポイントレールを切り替えた時にも問題なく通電するためのもので、"ギャップ"と呼ばれます。レイアウトのプランや使うポイントレールの種類によってギャップの必要性や付ける位置も変わります。
ポイントレールの数が増えて複雑なレイアウトになるほどギャップの位置に悩まされます。ポイントレールの基礎は別記事にまとめたので参考にしてください。
関連記事>>>選択式(エレクトロフログ)と非選択式(インサルフログ)の3つの違い
⑧ 接続箇所の枕木を追加する
レールをカットして接続した部分は枕木の間隔が広くなってしまいます。このままでは不自然なので枕木を加工して追加します。
余りレールからはずした枕木を、カッターなどで3分割して接着するだけです。枕木の間隔がほぼ均等になり違和感がなくなりました。
⑨ 手動転轍機を取り付ける
転轍機がなくてもポイントは切り替えられますが、あったほうがカッコいいので取り付けます。切り替えやすくなるだけでなく小物がレイアウトを実感的にしてくれます。
レールの固定と同じようにピンバイスで下穴をあけて、レール固定ピンで留めればできあがりです。
今回使った転轍機は"カブース・インダストリーズ #5218S N/HOスケール 転轍機" です。転轍機本体といろいろなメーカーのポイントレールに対応するコネクターが付属しています。
⑩ 固定ピンのカット
レールの固定が終わったら最後の仕上げです。ベースの裏面は画像のように固定ピンが飛び出していて剣山のような状態です。ニッパーでカットしただけではまだ触ると指に引っかかるので、金ヤスリも使って綺麗に仕上げましょう。
⑪パワーパック付きの台枠にセットして完成
台枠は檜の羽目板を使った当店オリジナルです。コスミックさんの電池式パワーパックを組み込んでいるので持ち運びも自由自在。設置場所も選びません。台枠の作り方も別記事にて解説しているのでDIY好きの方はチャレンジしてください。
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Nゲージ化(動力化)した小田急電鉄1000形(箱根登山鉄道仕様)のBトレを載せてみました。まだNゲージ化(動力化)していない方、Bトレで小さなレイアウトをやってみようかなという方は、Nゲージ化(動力化)の手順を解説した記事を参考にしてください。
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走行動画>>Nゲージのフレキシブルレールで作ったBトレ用レイアウトベース
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