PECOポイントマシン

PECOサイドマウントポイントマシン(PL-11)の配線方法と設置の手順

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PECOのポイントマシンにはロッドが短いPL-10と、ロッドに長さのあるPL-10Eがあります。

その他にもう一つ、最もシンプルで配線も加工も少なく済むのがPL-11(サイドマウントタイプ)です。カタログにはOO/HO(コード100)がジャストスケールとありますがその他のゲージでも使えます。

PL-10(E)をベース上に設置する場合とは異なり、ポイントマシン自体をストラクチャーなどで隠すなどの工作は不要です。さらに配線もシンプルなので、特にHOスケール(1/87)や16番(1/80)ではおすすめの選択肢の一つです。

PL-10/10Eの配線方法と設置方法は以下の記事を参考にしてください。

関連記事>>PECOポイントマシンの電動化と配線方法のまとめ(PL-10/10E)

関連記事>>PECOポイントマシンのスペック詳細と2つの設置方法

使う材料

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  • PL-11 ポイントマシン (サイドマウントタイプ)
  • PL-26W ポイントスイッチ(白) (ポイントスイッチは赤・白・黄・黒の4種類)
  • PL-39 スクリュー ターミナルブロック(12口x2個入)
  • 配線コード

PL-11 ポイントマシン (サイドマウントタイプ)

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  • ポイントマシン本体 幅:約60mm / 奥行:約23mm / 高さ:約9mm
  • ふかし台
  • 取り付けアーム

PL-10/10Eと同じく、安定して動作させる為には16Vの電圧が必要です

PL-10シリーズと異なるのはポイントマシン側が配線されている点です。ベースの加工もほとんど必要ないので簡単に電動化と設置ができます。

右上の画像の真ん中にあるのはふかし台です。道床付きレールを使った場合にポイントマシンを4mm上げることができます

PL-26W ポイントスイッチ(白)

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PECOのポイントマシン用スイッチです。今回は白を使いますが赤・白・黄・黒と4種類があります。許容電圧は最大16Vです。

PECOの純正スイッチの特徴は、レバーが倒れる途中で一瞬スイッチが入り電気が流れ、倒れきるとスイッチが切れて電気が流れなくなる仕組みになっています。つまり切り替えている方に電気が流れっぱなしになるような常時通電ではありません

PECOの純正スイッチではなく、ON-ONタイプ(どちらかに常時通電する)のトグルスイッチなどを使う場合はコンデンサが必要になるので注意してください。

PL-39 スクリュー ターミナルブロック

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ポイントマシン側からの配線とスイッチ側からの配線をターミナルブロックを使って接続します。ドライバーでゆるめて配線コードをはさみ、再びしめることで固定するハンダ不要の便利アイテムです。

配線

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解説しやすいように3色の配線を使いましたが、どれか1色でも問題ありません。ハンダが面倒な場合は、PL-31のコネクターを使うことでハンダフリーとなります。

電源 AC-DCアダプター

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初めてポイントマシンを電動化する際の悩みの種は電源かも知れません。お手持ちのパワーパックにポイント用電源が付いていれば良いですが、重要なのは出力電圧とAC(交流) or DC(直流)という部分です。

PL-11を安定して動作させるためには出力電圧16Vが必要です。コンデンサを繋げば12V/2A程度の電源でも動作はしますが、私は16Vの電源を使います。AC-ACアダプターを使う場合はコンデンサが必要になるので私のおすすめはAC-DCです

上の画像右を見てもらうとわかるように、OUTPUT(出力電圧)が16V/4.0Aのアダプターです。有名な秋月電子さんのアダプターですが、色々な電圧のものがあり外部電源を探す際に重宝します。

配線図

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PL-10シリーズ同様とてもシンプルな配線です。

ポイントマシン側の配線(黒・緑・赤)は最初から付いているので、用意する配線は電源とスイッチとターミナルブロックを繋ぐ4本(赤2本・黒・青)だけです。

PECOの説明書との違い

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PL-11に入っている配線図です。PL-10/10Eの配線方法記事でも書きましたが、この説明書が初心者を悩ませます。私が作った配線図とは2つの違いがあるので解説します。

  1. 電源がAC(交流)とDC(直流)の違い
  2. "CDU"の有無

現在、国内で使う電化製品でAC16V電源を使うものはなかなかありません。ほとんどがAC-DCアダプターで出力がDCになっています。しかもACは交流のことですが、交流は電流の流れが常に変動して電圧も一定ではありません。

現にKATOのパワーパックSのアダプターがAC15Vですが、単独で使うと17,8V出たりもします。動作はしますがちょっと怖いのです。

続いて"CDU(PL-35)"についてですが、これは"Capacitor Discharge Unit"というものです。直訳すると蓄電放電ユニットですが、いわゆる"コンデンサ"です。コンデンサと言っても種類と機能は様々ですが、PECOのCDUは蓄電・放電機能を利用して複数のポイントマシンを同時に動かす役割と、AC電源から取っている電気を整流して滑らかで安定した直流(DC)にする役割を担っています。

解決方法

解決方法はシンプルです。先ほど私が紹介した"AC-DCアダプターを使う"ことです。

DC電源を使えばCDUは不要です。ただし複数のポイントマシンを同時に切り替えたい場合にはCDU(コンデンサ)が必要です。

☑おさらい
  • "16Vの電圧が必要"→16V以上あれば良いわけではない!
    16V以上の電圧をかけた場合、発熱し焼き切れたりしてポイントマシンが壊れる恐れがあります
  • PECOの純正スイッチ以外を使う場合はコンデンサが必要!
    ON-ONタイプのスイッチの場合は、コンデンサの蓄電機能を利用して常時通電を防ぐ必要がある
  • DC電源を使えばコンデンサ(CDU)は不要!
    但し、同時に複数のポイントを動作させたい場合を除く

配線方法

① 4本の配線を用意する

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長さはレイアウトによって変わりますが余裕をもってカットしましょう。赤2本と黒1本はスイッチに接続するので、PL-31のターミナルコネクタを使えばハンダフリーです。

② スイッチへの配線

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赤2本と黒の配線をスイッチに接続します。ターミナルコネクタを付けてあれば差し込むだけです。①と③の配線はターミナルブロックへ、②の配線は電源に接続します。

③ ターミナルブロックへの配線

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①と③に加えて④(青線)をターミナルブロックに接続します。④の反対側は電源に繋がります。

④ PL-11とターミナルブロックの配線

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PL-11から出ている配線をターミナルブロックに接続します。画像右のように赤と赤、黒と黒、緑と青の組み合わせで繋ぎます。

⑤ AC-DCアダプターにジャックを取り付ける

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このままでは配線ができないのでDCジャックを取り付けます。DCジャックも電源と同じく秋月電子さんで購入できます。

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これで配線が可能になりました。

⑥ 配線完了

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配線の全体図です。ターミナルブロック(PL-39)とターミナルコネクタ(PL-31)を使うことで一切ハンダすることなく電動化ができます。

設置の手順

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PL-10/10Eとは異なり、設置に必要な材料はレール固定ピン程度です。カタログにはOO/HO(コード100)がジャストサイズとの記載がありますのでSL-E91(OO/HOゲージ 小型ポイント右)を使って設置の方法を解説します。

① 付属のアームを取り付ける

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付属のアームを切り離しポイントマシンにセットします。レールの反対側から差し込みレール側に飛び出す形になります。

② ポイントレールにセットする

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丸で囲んだそれぞれを合わせてポイントマシンを設置します。アームはレールの下に差し込む形になります。少々力がいりますが、カチッとなるまでしっかり奥まで差し込んでください。

③ 配線用の穴をあける

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ポイントマシンの位置が決まったら印をつけて配線をベース下に通す穴をあけましょう。私はピンバイスで穴をあけてそのままゴリゴリと削って広げています。だいたい3~4mmの穴で配線は通ります。

④ ポイントマシンを固定する

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配線をベース下に通して再びポイントマシンをセットしたらレール固定ピン(SL-14)で留めてください。ピンバイスで先行穴を(貫通させない程度に)あけておくと差しやすくなります。

⑤ 設置完了

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ポイントマシンの位置決めも固定も簡単です。ベースの加工も少なく、ターミナルブロック(PL-39)とターミナルコネクタ(PL-31)を使えばハンダも一切不要です。電動化はなんだか難しそうだと思っている方も、実際にやってみるとこんなに簡単なのかと感じるはずです。私も最初はそうでしたが、どんな作業でも苦手意識を持たずにやってみることが大切です。

"OO/HO コード100"以外に使った場合

PECOサイドマウントポイントマシン(PL-11)の配線方法と設置の手順

カタログや商品パッケージには「OO/HOとコード100にフィットする」と記載がありますが、ポイントレールとマシンの切り替えレバーの高さを合わせれば、その他のスケールやコードにも使用することはできます。

それぞれのスケールとコード別に設置した場合を比較してみましょう。

※その他のスケールやコードに設置する際には、付属の取り付けアームは使用しません。

Nゲージ コード55の場合

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HOm コード75の場合

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Nゲージ コード80の場合

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O-16.5/On30 コード100の場合

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レール側をかさ上げして高さを合わせる

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比較した中で1番コードの低いNゲージ用コード55のポイントレールを2mmのコルクでかさ上げして設置してみます。

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かさ上げ前はポイントレールとマシンの切り替えレバーの高さが合っていませんでしたが、2mmコルクを下に敷くことで解決できます。

つまり、道床でうまく高さを調節すればコード100以外のポイントレールにも設置可能です。

ただしNゲージに使用するとオーバースケールになるので、Nゲージでベース上にポイントマシンを設置したい場合はPL-10を使用する方が良いと思います。

今回使った商品 (当店商品ページへのリンクです)

 

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