PECOポイントレール

ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説

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鉄道模型レイアウトでは、ポイントレールの開通方向が一目でわかると便利です。ポイントレールがどちらに切り替わっているのかを可視化することで、脱線や衝突のリスクは下がります。そしてちょっとカッコよくなります。

小さなものでも操作盤を作るには手間も費用も必要です。まずはファーストステップとして、ポイントレールの開通方向をLEDで表示する方法を解説します。

トータスの配線方法をおさらい

ここでは6Pトグルスイッチへの配線を済ませた、トータスのスイッチマシンにLEDと抵抗を加えてグレードアップさせます。配線方法のおさらいは関連記事をご覧ください。

関連記事>>トータス(Tortoise)のポイントマシンの配線方法

LED化に必要なもの

ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説

  • 配線(赤・黒)
  • PECO PL-29 抵抗器 1/4ワット/1,000Ω
  • PECO PL-30 LED (3mm/5V) 赤・緑

PECO PL-30 LED (3mm/5V) 赤・緑 (各10個入り) &パネルクリップ

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PECO製のLEDで、最大定格電圧は5Vです。順電圧と定格電流に関する記載はありませんが、恐らく一般的な赤と緑のLEDと同様でしょう。

  • 順電圧(VF) ⇒このくらいの電圧で点灯しますよ、という最低限の電圧の目安
  • 定格電流(IF) ⇒これ以下の電流値で使ってください、という最大の電流の目安

PECO PL-29 抵抗器 1/4ワット・1,000Ω (10個入り)

ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説

PECO製の抵抗器です。1,000Ωなので国内で鉄道模型のLED程度に使うには大き過ぎます。この製品はPECOのポイントマシン(16V)との連動を想定しているため1,000Ωです。

この記事では、あくまで配線方法をご確認ください。実際に作業する際には、使用するLEDのスペック(VFとIF)とパワーパックの電圧を確認して適切な抵抗器を選びましょう。

※商品紹介も兼ねてPECOの抵抗器を使いますが、今回使用するパワーパックのポイント用電圧は4Vなのでこんなに大きな抵抗は必要ありません。

抵抗器の基礎

ここでは抵抗器の役割や抵抗器の選び方、抵抗値(Ω)の求め方などを簡単に解説します。そういうのはめんどくさいという方には、最後にLEDと抵抗器がセットになっているおすすめ商品も紹介するので参考にしてください。

抵抗器の役割

抵抗器は電流の量を調節する働きがあります。つまり電源から流れてくる"余分な電流"を受け止めてくれます

最大定格が5VのLEDに、抵抗器を介さず12Vの電源に繋いだらどうなるか。もちろん一瞬でLEDが焼き切れて壊れます。間に抵抗器をかませることで、余った電流をLEDの代わりに受け止めて正常に点灯するようにしてくれます。

抵抗器の選び方 その① 抵抗値(Ω)

"適切な抵抗器を選ぶようにしましょう"と言われても、どれを選んで良いのかわからん、という方もいると思います。私もその一人でした・・・。

学生時代に真面目に理科の授業を受けた方にはお馴染みの公式。抵抗値の計算には"オームの法則"を使います。これで必要な抵抗の大きさを求めてください。

オームの法則

V(電圧) = I(電流) × R(抵抗)

これがオームの法則の原型です。これを置き換えることによって電流と抵抗の大きさを求めることができます。

<電流を求めたい場合>
I(電流) = V(電圧) ÷ R(抵抗)

<抵抗を求めたい場合>
抵抗(R) = V(電圧) ÷ I(電流)

 

抵抗値の計算

①電源が12Vで順電圧(VF)2.1VのLED(x1)を20mAで光らせる場合

抵抗(Ω) = (12V-2.1V) ÷ 0.02A = 495Ω

②電源が12Vで順電圧(VF)2.1VのLED(x2)を20mAで光らせる場合

抵抗(Ω) = (12V-2.1V-2.1V) ÷ 0.02A = 390Ω

LED1つでは495Ω、直列で2つの場合には390Ωの抵抗が必要なことがわかります。抵抗器には規格があるのでピッタリ合う製品があるとは限りません。上記の例では495Ωの抵抗はないので、その上の570Ωを使います。計算で出た数値よりも余裕をもって、ひとつ大きい抵抗値の製品を使っておけばよいでしょう。

「余分な電圧(V)を流す電流(A)で割る」と覚えてください。

抵抗器の選び方 その② 定格電力(W)

抵抗器を選ぶ際に、抵抗値(Ω)以外にもうひとつ大事なことがあります。

それは定格電力(W)です。抵抗器は余った電流をLEDの代わりに受け止めてくれますが上限があります。受け止めた分(制限した分)だけ発熱し、それを電力(消費電力)としてとらえた際の容量が決められています。先ほどの例で計算してみましょう。

消費電力の計算
  • 余る電圧=抵抗にかかる電圧

12V - 2.1V = 9.9V

  • 抵抗にかかる電圧 ÷ 抵抗値=LEDに流れる電流

9.9V ÷ 570Ω(495Ωの抵抗がないため)= 17.3mA

  • LEDに流れる電流 × 抵抗にかかる電圧=消費電力

17.3mA × 9.9V = 171.27mW

「電源が12Vで、順電圧(VF)2.1VのLEDを1つ、20mAで光らせたい場合」に抵抗にかかる定格電力は 約171mW ということです。定格電力にも抵抗値同様規格があり、1/4W(250mW)・1/2W(500mW)・1W(1000mW)などがあります。

通常は安全性を考慮して消費電力の倍以上のものを選びます。上の例であれば、余裕を持って1/2W(500mW)を選んでおけばよいでしょう。

おすすめ商品!

抵抗値とか消費電力とかめんどくさい!という方は、抵抗器がセットになっているLEDを購入するのがおすすめです。使用する電源の電圧に指定はありますが、その範囲を守れば付属している抵抗器がそのまま使えます。Amazonやヨドバシ.comなどで入手しやすいのがELPA(朝日電器)の製品です。

配線方法

ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説

まずは配線図を確認してください。配線図はポイントマシンにLEDと抵抗器を足したものです。ポイントマシンやスイッチの配線は変える必要はないので、何ヶ所かハンダ付けするだけで簡単にできます。

用意した材料を使って実際に配線してみます!

①LEDに配線を付ける

ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説

赤と緑、それぞれのLEDに配線をハンダ付けします。画像のように少し"足"を開いてから作業するとやりやすいです。LEDは足が"長い方"が(+)、"短い方"が(-)です。(+)に付いている長めの配線はそのままトグルスイッチの真ん中の端子に、(-)に付いている短い配線は抵抗器を介してからトグルスイッチにハンダ付けします。

②抵抗器に配線を付ける

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抵抗器のどちらか片方に配線をハンダ付けします。抵抗器に(+)(-)はないので、向きはどちらでも構いません

③LEDと抵抗器を配線する

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先にLEDの(-)に付いている短い配線同士をよじってハンダ付けしておきます。そのハンダを溶かしながら抵抗器のもう片方と接続するとスムーズです。

ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説

この形ができたらLEDと抵抗器の配線は完了。あとはトグルスイッチ側にハンダ付けするだけです。

④スイッチ側にハンダ付けする

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トグルスイッチ側にもハンダ付けしたら完成です。配線もハンダも汚くてわかりづらいですが、逆に言えばこんな感じでもしっかりLEDは点灯しますし、ポイントマシンも動きます。ハンダが苦手な方も綺麗にやろうとしすぎないで、とりあえずチャレンジすることが大切です。※このハンダはさすがに店長から指摘が入ると思います(笑)

点灯確認

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電源はTOMIXパワーパックのポイント用から給電します。ポイント用はDC4V、100mAです。LEDの点灯とポイントマシンの動作を確認できたら、実際にポイントレールと組み合わせてみましょう。

ポイントレールにLEDを組み込む

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LEDを組み込みたい位置に印を付けて、ピンバイスやドリルで穴をあけるだけです。穴が大き過ぎるとLEDがスカスカになってしまうので注意してください。

ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説ポイントレールの開通方向をLEDで表示!抵抗器の基礎と配線方法を解説

これで完成です。ポイントがメインレール側の時は緑のLEDが点灯し、分岐側に切り替わっている時は赤のLEDが点灯するようになりました。これで開通方向が一目でわかり、切り替えミスもなくなります。これだけでもレイアウトのレベルが一段上がった気がしますね。

この記事で紹介した商品

以下のリンクよりナローゲージショップの商品ページへ移動します。

 

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