余ったレールを有効活用して、小さくてかわいい手のひらサイズのレイアウトを作ります。今回は楕円(小判型)のNゲージ極小レイアウトの作り方を解説します。
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今回使ったもの
主な材料と道具です。ちょっと特殊なものは左上に写っているレールベンダーです。
ベース
4mmのベニヤと2mmのコルクを貼り合わせたものです。大きさは約210mm x 145mmで、半径40ミリでけがきました。
Fast Tracks レールベンダー
極小半径のレイアウトでは、このレールベンダーが活躍します。特に半径100mm以下のレイアウトではフレキシブルレールを曲げた時の反発力が非常に強く、しっかりと曲げ癖を付ける必要があります。
関連記事>>>レールベンダーを使ってレールをきれいに簡単に曲げる方法
フレキシブルレール
PECOのNゲージ用フレキシブルレール(SL-300)です。レイアウトのサイズにもよりますが、今回のサイズであれば30~40cmのものが2本あれば充分です。
金属ジョイナーとレール固定ピン
レール接続用のジョイナーとレールを固定するためのピンです。共にPECO製を使いました。
フィーダー線
電源供給用のフィーダー線です。ホームセンターなどでも売っている一般的な赤黒の配線です。
主な道具
使用した道具は、以下の4つです。
- 金ヤスリ
- ニッパー
- レールニッパー
- ピンバイス
極小レイアウトの制作手順
基本的には、HOナローの真円ミニレイアウトと製作手順は同じです。大きな違いとして、今回は楕円のレイアウトなのでベンダーで曲げつつ直線部分も作るということ。それでは、ひとつひとつ手順を解説します。
①ジョイナーにフィーダー線を取り付ける
赤黒の配線の先っぽを5mmほど剥き、直角に曲げてジョイナーにはんだ付けします。
関連記事>>>PECOのフレキシブルレールにフィーダー線を取り付ける手順
はんだが苦手な方やはんだコテをお持ちでない方は、以下の商品がおすすめです。
PECOの配線済みジョイナーです。画像はコード55とコード80用ですが、その他のコードに対応したものもあります。フィーダー線を用意する必要もなく、はんだの手間も省けるのでおすすめの商品です。
②フィーダー線用の穴をあける
ベースに3~4mmのピンバイスでフィーダー線を通す穴をあけます。穴を大きくしすぎると、バラストを撒いた時に面倒なので注意してください。
③レールを引き抜く
ベンダーで曲げるために枕木から一旦レールを引き抜く必要があります。無理に引っ張ると変な曲げ癖が付いてしまうので、真っ直ぐ抜くようにしてください。
④レールを曲げる
いよいよレールを曲げていきますが、冒頭でも書いた通り今回は楕円(小判型)なので"ベンダーで曲げつつ直線部分も作る"ことになります。
関連記事>>>レールベンダーを使ってレールをきれいに簡単に曲げる方法
はじめにけがき線にレールを合わせて、直線とカーブの境にスミ付けをします。
スミの位置にベンダーのローラーを合わせて、黒いネジを締めあげます。今回は目盛を「4」に合わせました。ローラーに沿わせて癖付けをしますが、その際にレールを引き抜くのではなく、送り出すイメージで慎重に曲げていきます。
手前の直線部分が少々曲げすぎた感がありますが、この程度なら枕木に戻して固定しながら調整できます。
外側レールも同じように曲げ癖を付けます。外側は内側レールよりも若干ネジを緩めにして癖を付けます。
左半分のレールに曲げ癖を付けた状態です。同じ要領で右半分用のレールにも曲げ癖を付けてください。
⑤レールに枕木を戻す
この作業が一番面倒かもしれません。枕木は2本のレールに同時に通します。片方だけを先に通してしまうと入れづらくなり大変です。
- 枕木は4~5本ずつにバラしてから通す。
- 枕木の間隔が開きすぎるところは、裏の繋ぎをカットする。
左の画像が枕木裏の繋ぎをカットする前で、右がカットして枕木の間隔を調整した状態です。不自然に開いていた感覚が修正されているのがわかると思います。
⑥レールを固定する
最初にあけた穴にフィーダー線を通して、ジョイナーをレールに差し込み、けがき線に合わせてレールを固定します。
関連記事>>>PECOのフレキシブルレールを固定する方法
0.3mm~0.5mmくらいのピンバイスで枕木に先行穴をあけて、そこにピンを差し込みます。Nゲージの枕木は幅が細いので、ピンがはずれないように注意してください。
左半分の固定が終わったところです。接続箇所は直線部分の中間にするので、余った部分はレールニッパーでカットします。
同じ要領で右半分も固定して、最後にジョイナーで接続すれば完成です。固定ピンは枕木3本間隔で打っていますが、カーブ部分などずれやすい箇所には適宜追加してください。
関連記事>>>レールニッパーを使ってレールをきれいに切断するコツ
⑦枕木を追加する
ジョイナーで接続した箇所はどうしても枕木の間隔が開いてしまいます。このままでは不自然なので、最後に枕木を追加しましょう。
手法はいろいろありますが、私は枕木を3分割して接着剤で留めてしまいます。犬釘の表現を潰さないようにカットするのがコツです。
枕木を追加した状態です。フィーダー線の穴を隠せるだけでなく、ジョイナーも目立たなくなります。
⑧固定ピンをカットする
最後に裏に飛び出している固定ピンをカットします。ニッパーでカットしたあとに金ヤスリをけると、引っかかりもなく綺麗に仕上がります。
⑨台枠にセットする
当店のA5サイズのレイアウトベースに収めてみました。コスミックさんの電池式パワーパックを使用しているので、持ち運びも容易で置き場所も制限されません。
今まではHOナローのレールで作ったものを販売していましたが、近日中にNゲージ仕様も追加します。興味がある方は、当店のレイアウトベースの商品ページをチェックしてください。
商品ページ>>>レイアウトベース一覧
おすすめの動力車
半径が40mmとなると走行できる車両も限られます。そこで極小レイアウトにぴったりのおすすめの動力車をご紹介します。
"津川洋行"さんの"有田鉄道 コッペル1号機"です。全長が約30mmとかなり小さいので、小半径の極小レイアウトにぴったりです。走行性能も抜群です。
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